医療介護現場 業務改善日記 Vol.6「外来環境の見直し」

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今まで医療機関の経営企画室長と事務長、現場のリハビリリーダーを3つ兼務し、これまで50以上の業務改善を3年くらいで行ってきました。業務改善の内容は大なり小なりありますが、少しでも読者の皆様の参考になって頂ければと思います。

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さて、今日のテーマは  Vol.6「外来環境の見直し」

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さて、皆さんの医療機関の外来では、患者さんはストレス少なくお待ちいただいたり、スタッフも無駄なく効率的な仕組み作りは進んでいらっしゃいますでしょうか?

例えば、患者さんの移動。分かりやすく案内通りに移動されているでしょうか?

また、患者さんに知らせたい情報は思った通りに案内できているでしょうか?

 

意外とスタッフは「分かりやすい」と思っていても、患者さんの目線だと「分かりにくい」ことも多々あります。

 

事務長
「患者さん目線でシミュレーションしています」

 

と、各医療機関さんは、すでに対応済みだとは思います。

そうなんです。どの医療機関さんも対応されているんです。

 

しかしどうでしょう?

外来患者さんの年齢層や性別、そういった分析の元にシミュレーションされているでしょうか?

 

第1回の記事で書いた「外来待合の雑誌の変更」でも触れていますが、外来患者さんの特性を把握することは極めて大事です。

医療介護現場 業務改善日記 Vol.1「外来待合の雑誌見直し」

 

若い方々が多い外来ならば

例えば整形外来で若い年齢層の方々が多いならば、TVもニュースやスポーツを固定にしてみたり。

そして、できるだけ患者さんに自分で動いてもらうような仕組みがあると良いです。

例えばレントゲンや各種検査などは、すべていちいち医療事務さんや看護師さんが案内していませんか?

動線を分かりやすく明示するとか、案内板を渡すとか、色分けで視覚的にはっきりさせる、などなど工夫の余地は実はたくさんあります。

これらの仕組みが不十分だと、スタッフ一人のマンパワーが取られてしまう可能性があります。それは非常に効率が悪いです。

 

患者層が若い方が中心なら、できるだけ表示や案内によって自動で移動してもらう仕組みは大事です。

 

たったこれだけれで、看護師さんの忙しさが急激に減ります。

他にも院内ドッグや検査の流れもスムーズでしょうか?

患者さんが自分で読んで理解できるなら協力してもらい、できるだけスタッフが張り付くことが少なくなるようにしましょう。

 

高齢者の多い外来ならば

こちらの方が医療機関では多いと思います。

高齢者が多くを占める外来では、医療事務さんや看護師さんへの質問や確認が非常に多いです。

スタッフはその度に手を止めてしまうのは課題の一つです。

もちろん地域の方々と触れ合うという意味では意義があるがとは思いますが、必要以上に確認や繰り返しなどは避けたいものです。

 

ご自分の医療機関の外来環境を見渡してみてください。どうでしょうか?これらに該当することはありませんか?

 

1 掲示している案内の文字の大きさは適切ですか?    多分小さくて見えていません。
2 呼び出し案内の音量は適切ですか?医師の先生の呼び出し方は伝わりやすいですか?   多分あまり聞こえていません。
3 TVはチャンネル戦争になっていませんか?  多分高齢者の皆様はTV大好きなんです。

 

1と2は患者さんにヒアリングするとすぐに解決できます。

「見えますか?」「聞こえますか?」などと1週間ほど毎日数名にヒアリングしてみてください。

 

3は悩ましいです。

設置しているTVの「番組変更をしろ」って言ってきませんか?

僕のところは毎日ありました(笑)。「BSに変えてくれ」と毎日。笑

それだけで毎日対応が大変なんです。

最初から固定番組にするか、案内で「番組変更はできません」と表示をします。

 

そして、検査や処置室への案内が非常に分かりにくいと何度も説明が必要になります。付き添いが必要なケースも少なくありません。

大きな病院ではコンシェルジュさんや、病院をリタイアされたボランティアさんを配置して案内をしているところもあります。

もしかしたらコンシェルジュさんを一人置いた方が、多忙な時間帯はスムーズに外来を回すことができて、結果人件費以上に効果があるかもしれませんね。

外来は回転が命ですから。呼び出してから入室するまでの時間が短縮されるのは非常に効果的です。

番号札を大きくして、また色分けするなどすると、コンシェルジュさんも(または他のスタッフでも)、「もうすぐですからね」と事前に準備を促すこともできるかもしれません。

医療事務さんや看護師さんが集中して勤務できる体制を作ることは非常に人手不足の中では大事になります。

 

小児が多い外来ならば

安全対策は十分にされていると思います。危険なものは置かないなど。

 

でも小児外来では、お子さんは一人では通院しません。お母さん向けの環境整備はされていますか?

例えば雑誌。女性雑誌も週刊誌ではなくてオシャレな雑誌や旅行雑誌の方が良いです。料理の雑誌も良いかもしれませんね。

他にも最近は携帯を巧みに使われる方々も多いので、wifi環境があっても良いかもしれません。(医療機関での携帯電話の使用制限があるところは別です)

女性って意外とwifi環境を繋ぎたくなるんです。(笑) 

偏見かな?男性以上に女性の方がインターネットを駆使して料理やら買い物やら検索していますから、以外にwifi環境はあると喜ばれます。(これは入院でも同じかと思います)

 

 

KoKoRoが行った具体的改善

それでは私が具体的に行ったことを紹介します。

私が事務長でいた時の外来患者は高齢者がほとんどで、平日夜は若い方が多いという特徴でした。

1 掲示物はシンプルに見やすく、テレビは固定チャンネル表示にした。

受付は外来の鏡ですので、一番気を使って綺麗にするべきです。古い掲示物は捨てましょう。タテヨコは綺麗に整えて掲示しましましょう。

テレビ戦争も「チャンネル固定です」と表示する事で、余分な問い合わせが激減するようになりました。

 

2 混雑時のみコンシェルジュを置いて、多職種でタスクシェアした。

私が所属していた外来では、平日の中でも月曜日午前と金曜日午前が外来患者がいつもより2割ほど多いことは統計上分かっていました。また混雑する時間帯も分析済みでした。よってその混雑時のみ、受付の人員を一時的に増やしてコンシェルジュ的運用を行いました。場合によってはKoKoRoも外来を巡回して御用聞きに回りました。

コンシェルジュは誰がやっても良いのです。その時にタスクシェアができる人がいれば10分でも良いので混雑時に巡回してもらうと良いでしょう。

 

3 全ての検査ルートに番号を設置し、分かりやすい案内板を要所に置いた。

人間ドックや各種健康診断では、受付された後ルート図を配布して、自分たちで案内板を見て進んでもらうようにしたのです。すでに導入されている医療機関も多いとは思いますが、以外に小さな病院や古い病院ではそこまでの整備がされていない所もあると思います。または見直しが当分されていない事もあるかもしれません。いま一度、自分たちが患者役となって全てのルートを回って見てください。ヒントは隠れていると思います。

 

 

まとめ

上記3点以外にも色々と細々した改善は日々していました。

清掃の方との連携や、書類などの整理整頓、医療事務が使うPCの置く場所などなど。

常に外来は戦争ですので1分1秒を短縮できるPDCAは常に回して置きたいですね。

 

 

 

 

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