医療介護現場 業務改善日記 Vol.5「プロジェクトのリーダーは若い人へ」

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今まで医療機関の経営企画室長と事務長、現場のリハビリリーダーを3つ兼務し、これまで50以上の業務改善を3年くらいで行ってきました。業務改善の内容は大なり小なりありますが、少しでも読者の皆様の参考になって頂ければと思います。

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さて、今日のテーマは

Vol.5「プロジェクトのリーダーは若い人へ」

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さて、皆さんの法人では委員会やプロジェクトごとの「チーム」はいくつあるでしょうか?

リスク管理委員会とか、NST委員会、褥瘡対策チーム、認知症委員会、身体拘束対策委員会などなどたくさんありますよね。

国のルールや施設基準といった、そもそも医療機関・介護施設にないといけない委員会はいくつかあります。しかし、それぞれの法人ごとで色々なプロジェクトチームがたくさん存在していると思います。

しかしそのリーダーって、一体誰が努めているでしょうか?
ほとんどの医療機関や介護施設では、例えば普段から管理職を行なっている部長職や課長職の人が、それらのリーダーを努めていることが多いのではないでしょうか?
もちろん「責任」と言う意味では、管理職の人が付くことで、普段の重責の延長の中で、その役割を担うことがあると思います。
でもどうでしょうか?
そこに属している若い世代の職員さんは、意見を自由に言える雰囲気があるでしょうか?
すごく風通しの良い職場であれば、うまく彼ら若い世代の意見を汲み取り、上手に組み立てていることもあるでしょう。
しかし普段から雲の上である「部長」さんらが小さなプロジェクトのリーダーまでもしていたら、若い世代は恐縮したり、遠慮したりしませんでしょうか?
僕ならなります。。(苦笑)
悪い意味ではなく、普段の役職者と言うのは、それだけで他者(特に若い世代)には圧力を与えてしまい、管理者が思っている以上に意思疎通の弊害になってしまっていることがあるのです。

若い世代が意見を言いやすい環境とは?

ではどうでしょう。若い世代の方々の意見をもっと吸い上げて有効な業務運営につなげていくために、組織のリーダーは誰に任したら良いでしょうか?

僕の考えは

3〜5年目の現場のリーダー職です。

(ここで言う現場のリーダー職は、普段部下を5〜7名程度もち、看護やリハビリといったその分野のリーダー職を指します)

まだ経験の浅い彼らは、もしかしたら管理者や上司の立場からしたら指名するのは不安かもしれません。

でも、若い世代の意見は、若い世代に近い方が圧倒的に聞こえてくる、のです。

そこに大きなヒントが隠れていると思います。

一昔前は・・・

10年以上前までは、ヒエラルキーの絶対的組織構造が強い医療法人の形が主流でした。今でもまだ経験年数によって人事や労務は管理され、年功序列や終身雇用といった昭和が築き上げた管理体制が色濃く残っている業界です。

しかし、周りの業界を見てみましょう。

多様な価値観や型にはまらない自由な市場が、ここ10年ほどで急速に増えています。

医療や介護といった分野は、それらを参考にしながら、まだまだ組織構造の見直しが十分に可能な「のびしろ」をたくさん持っているのです。

プロジェクトの運営

話は戻って、プロジェクトの運営について考えます。

リーダーは3〜5年目くらいの現場リーダーが良い、と述べました。

この理由は以下の通りです。

1 若い世代の素晴らしい斬新な意見が出やすくなる。
2 しがらみが少なく、意見をあげる段階では慣例的な忖度が生まれにくい。
3 自発性が生まれ、実行に移す段階で自主性が生まれてくる。

若い世代の素晴らしい斬新な意見が出やすくなる

若い世代の意見は本当に素晴らしいものが多いです。それは多様な価値観と柔軟な発想があるからです。長い期間同じ職場で勤めていたり、同じ業務を経験していくと、斬新なアイデアは出て来にくいです。そのため、部長がプロジェクトリーダーをしていると「声が大きい人の意見が採用されやすい」状況が生まれて来ます。

いわゆる「グループシンク」と言うものです。

これは避けたいものです。経験年数とともに素晴らしい価値観を持っている方々ばかりですが、悪い面では凝り固まった考え方となりやすい面もあります。

しがらみが少なく、意見をあげる段階では慣例的な忖度が生まれにくい

意見をあげる段階では慣例的な忖度が生まれにくいと言うのがポイントで、幾ら若いリーダーでも忖度はやはりあります。

しかしまずは沢山意見をあげることが大事です。

「3のうちの一つを選ぶか。30のうちの一つを選ぶか?」

どちらが良いものが生まれてくるでしょうか?

 

 

自発性が生まれ、実行に移す段階で自主性が生まれてくる

自分たちで意見を出し合って、それを実行すれば、上司が決めたことを実行するよりもはるかに自主性が生まれて来ます。それは実行段階での質の向上を意味します。

部長がリーダーを行うと、どうしても「トップダウン型」にプロジェクトは動きがちです。

しかし、若いリーダーで意見を抽出したものは「実行を実際にする若い世代に良い影響をもたらします」。「ボトムアップ型」にプロジェクトは進行するでしょう。

 

 

 

まとめ

委員会やプロジェクトは、せっかく小さくチームを作っても、それを切り盛りするリーダーが部長職では、小さくした意味が半減してしまいます。

プロジェクトチームのリーダーは、できるだけ若い世代に任せ、普段の上司は相談役や困った時のお助け役に回るのが望ましいと考えます。

委員長:若いリーダー

副委員長:部長職のリーダー

でも良いかもしれません。できるだけ、部長級の方々は影から応援するスタイルが良いですね。

 

 

 

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