平成30年度の診療報酬・介護報酬改定で、やはり「連携」の強化が目立ちました。
特に医療機関同士、医療機関と介護施設、医療機関と在宅といったそれぞれのステージでの連携が強化された加算となっています。
それは
これまでの「退院支援加算」から「入退院支援加算」に名称が変更され、入院から退院までの一連の流れでの支援が一層求められるようになりました。
その中で「入院時支援加算」が「加算の加算」として設定され、入院を予定している患者が外来において必要な説明等を事前に受けることで、スムーズな入院が可能となるものが新設されました。
よくよく見てみると、「入退院支援加算」の内容はほとんどの医療機関がすでにやっている内容ばかりですが、病棟で入院の説明等を行っているところも少なくなく、外来と入院をつなぐ、いわば「院内連携」の評価です。
意外に外来と病棟の連携には壁があって、それぞれ忙しいために「後はそっちでやって」みたいな、院内での「責任の押し付け合い」が見られてしまいます。
それを解消するためのきっかけになる新規の加算です。
業務改善のきっかけにしてもらう加算ということで、私も色々なところでオススメしています。
そもそも「入退院支援加算」は「1」と「2」と「3」に分かれています。
(「3」は新生児特定集中治療室管理料又は区分番号A303の2に掲げる新生児集中治 療室管理料を算定したことがある医療機関なので、ちょっと特殊なためここでは割愛します)
「1」と「2」の違いを簡単に述べると以下の通りです。
「1」は、3日以内に退院困難患者を抽出して7日以内に患者・家族と面談することや、7日以内に多職種によるカンファレンスが必要です。その他、退院支援業務に専従する職員を病棟に配置したり、連携する医療機関等と定期的な面談をする必要があります。
「2」は「1」よりも条件は優しく、「7日以内」に退院困難患者を抽出して「できるだけ早期に」患者・家族と面談することや、「入院中に」多職種によるカンファレンスが必要と、少し条件が緩和されています。また配置基準や他の医療機関等との連携は特段設定がありません。
先ほどの「入院時支援加算」は「入退院支援加算」の加算の加算であり「1」でも「2」でもどちらでも上乗せができます。
よって小さな有床診療所や中小病院は「2」を基礎として「入院時支援加算」を算定することができます。
「入退院支援加算」にはさらに、その加算の加算として「地域連携診療計画加算(いわゆるパスの加算)が上乗せできます。
厚生局に申請が必要ですが、「入院時支援加算」を通じて院内の連携をさらに加速し業務改善をトライして頂ければと思います。
入院を予定している患者が入院生活や入院後にどのような治療過程を経るのかをイメージでき、安心して入院医療を受けられるような、より優しく丁寧な医療を推進する観点から、
外来において、
入院中に行われる治療の説明、入院生活に関するオリエンテーション、持参薬の確認、 褥瘡・栄養スクリーニング等を実施し、支援を行った場合の評価を新設する。