人生を「冒険」するママさんセラピスト〜NPO代表もフリーランスも手がける敏腕ST〜 若手向けセラピストインタビューVol.22

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是非、多くの方々をインタビューして行きたいと思いますので、是非、皆さま応援お願いします!!

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インタビュー リンクまとめ

それでは、本日のインタビューは、言語聴覚士「橋田祐理子」さんです!!

 

Vol.22   北海道在住
言語聴覚士  橋田 祐理子

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ブログ フリーランス言語聴覚士はしっ子の、こだわらない話

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甘利 
よろしくお願いします!!
橋田さん
よろしくお願いします!

ご経歴と仕事観

これまでの簡単な経歴を教えてください

橋田さん
新卒から介護老人保健施設で勤務し、在宅から看取りまで経験し、維持期のおもしろさ、終末期の尊さを学びました。認知症予防のプロジェクトリーダーや管理職など、たくさんの経験をさせてもらいました。STになって8年目にもっと多くの人の役に立てればとフリーランスSTになり、同施設ではその後、非常勤勤務となり計10年勤めました。任意団体NPO食べる力・円を立ち上げ代表を務め、嚥下障害予防の活動を中心に多方面でSTの職域を広げる活動をしています。
甘利
最初からすごいご経歴です!フリーランスのSTはまだ全国的にも少ないですし、NPOの代表を務められるのはすごいです!

「任意団体NPO 食べる力・円」の活動など

橋田さん
主に嚥下障害予防の活動として、講演活動、嚥下障害まちなか相談室、市町村訪問、介護施設嚥下評価訪問、幼少期からの嚥下障害教育などを行っています。任意団体発足し活動4年目となり、過去には地域サロンとして嚥下サロン事業や、嚥下食が食べられるカフェ経営、嚥下障害予防のカレンダー販売なども行っていました。最近では行政と協働で嚥下食開発を進めたり、自治体や各専門団体からの講演依頼も増えており、嚥下障害に関する世の中の認知度が上がり、そのニーズの高まりを感じています。
甘利
なるほど、行政と一体となった活動は地域医療の発展に本当に大事なプロセスですね。それらはどういった経緯で請け負うことになったのでしょうか?
橋田さん
私が住む地域では、行政の中に雇用創造の一環で地域食材をつかった新商品のレシピ開発をすすめている協議会があり、他の地域では取り組まれていない新しい取り組みとして、「何か地域食材を使った介護食を作れないか」という担当者の思いがありました。そこに、私も嚥下食開発はいつか取り組みたいこととして胸に秘めていたため、ある講演会の懇親会でお話をしたことをきっかけにお話しが進んでいきました。産官学連携で地域食材を活用した嚥下食レシピを開発する、言語聴覚士でありながら食品加工の専門機関に通う日々はとても新鮮でした。現在はレシピをもとに、商品販売にむけて協力事業者を求めているところです。

フリーランスになるきっかけは?

橋田さん
介護分野で働くSTとして日々の充実を感じながら、漠然と「目の前の人はリハビリで元気になってもらうことは出来ても、それ以外の世の中の人はどうなんだろう?」と疑問に思いました。臨床経験6年目のことです。ちょうどその頃、地域包括ケアシステムが囁かれている頃で、専門以外の勉強にビジネス書なども読み漁っていたこともあり、自分でも思いもしなかった「フリーランス」という言葉が浮かび、フリーランスになったら、もっとたくさんの人と関わることができて、もっと多くの人を幸せにできるのではないか、と考えるようになりました。また、看取りの現場でご本人やご家族が嚥下障害を理解しきれない、受入れられない現場を目にしてきて、介護が必要になるもっと早期から嚥下障害を学び、知るきっかけが必要なのではないかと感じるようになりました。一度疑問に感じたら、動かないと辛くなってしまって、そこから先は着々と準備をしつつ、無事に円満退職をできるように必死で(笑)フリーランスになってからもたくさんの壁にぶつかったりしますが、どれも未知のかけがえのない経験。フリーランスSTになって良かった、と年々その思いが強くなっています。
甘利
円満退職って意外に難しいですよねw。最後喧嘩別れのように退職していく人たちも見かけますし「立つ鳥跡を濁さず」は社会人として大事なスキルだと思います。
橋田さん
その通りだと思います。そして、本当にこの世界(業界)はつながっています。悲しいですが、良い噂よりも悪い噂の方が残ってしまうものなんですよね。「退職を決めてから、3か月間休むことなく必死で頑張れた人はどこに行っても重宝される人になれる」という言葉を聞いたことがあります。その言葉をもとにやっていましたが、これまでお仕事でお世話になった方が応援してくれたり、新たな出会いをつなげてくれたりと、フリーランスで地域にでるにあたって想像していたよりもスムーズに事が進んでいきました。入る時よりも、出る時を美しく、この難しさと大切さを学びました。

病院勤務とフリーランスの違いはなんだと思いますか?

橋田さん
責任の範囲と、決定までのスピード感の違いがあると思います。病院以外でも組織に所属していると、なんとなく「自分がしなくても・・・」という意識が芽生えやすく責任への意識が曖昧になりやすさがありますよね。その点、フリーランスの個人だと手を抜いたら手を抜いた分だけ、全て自分に返ってくる。組織から出ると個人での勝負なので、スキルを磨くこと、信用してもらえるにはどうしたらいいか、など真剣に考えるので責任意識が格段に強くなります。また、病院勤務の方がスケールの大きなことがやりやすいが決定に時間がかかる、逆にフリーランスだと、決定からプロジェクトスタートまでスピード感が早く、異業種との組み合わせで想像以上のおもしろい展開になるなど、その自由度の高さはとてもおもしろい魅力だと思います。
甘利

それ分かります。僕もフリーランスをしていますが、病院時代の決定の遅さはもう多分戻れませんw。それだけ病院は慎重に大きなプロジェクトを行っていたからだと思います。今となっては僕は経営者にもなり、フリーランスSTでもあり、どうしてもこの時代の変化に対して決定の遅さが命取りだと日々感じています。

橋田さん
命取りという言葉はふさわしいですね。特に今は、新型コロナをきっかけにめまぐるしく業態が変化していますよね。でも本当は、もっと前から変化しなければならない必要があったけど、決断を先送りにしていた結果が今にきているのだと思います。組織から離れると、小さなレベルから大きなレベルまで個人で決断を強いられますが、自分で決められる権利があることを、むしろ楽しめると良いと思います。そして、「やらないこと」を決める、「続けないこと」を決めるなど、先を見据えて力を注がないことを決めることも大切なスキルだと思います。

地域共生の活動について想いを教えてください。

橋田さん
「当たり前を、当たり前に」この言葉はいつも胸にあり、ノーマライゼーションの考え方は、活動における基盤となっています。住み慣れた地域や暮らしたい場所で暮らすことは当然の権利であり、障害があっても暮らしやすい世の中、環境が整うことはこれまでの社会福祉の中で少しずつですが整備されてきているので、ハード面よりも、ソフト面重視で自分の代でさらに繋げ拡げていくことが出来ればと思っています。リハビリ職に必要なスキルはデザインする力とコーディネイトする力だと考えています。地域をデザインする、暮らしをデザインする、生活をコーディネイトする。
甘利
すごく分かります!「地域をデザインする、暮らしをデザインする、生活をコーディネイトする。」このフレーズは素晴らしいな〜。
橋田さん
嚥下障害について一般の方から相談を受けるのも、家にお邪魔して在宅でできる工夫を伝えるのも、それまでのその方の暮らしがほんの少し変わるきっかけになります。専門職として、常に対象者とそのご家族の応援者でありたい、その思いがあり、町に暮らしに子供たちがいて、おじいちゃん、おばあちゃんがいて、人の温度感を感じられる、その点と点を結び合わせるような環境づくりができたらと思っています。
甘利
そうですね。点のままで終わらない。それを結んで線にする。それが目の当たりになるのは生活場面に近ければ近いほどなんだと思います。

 

仕事をする上で重視していることは何でしょうか?

橋田さん
臨床の場面では、やはり患者様に喜んでもらえるか、を大切にしています。認知症の方は記憶の保持が難しいので、毎回初めましての瞬間です。そこはやっぱり笑顔になってもらってコミュニケーションを楽しんでもらいたい。そのためには苦手な冗談も頑張りながら、笑ってもらえるように努力します。でも、喜んでもらうってとても難しい。人には笑えない時、人の話が耳に入らない時があります。そんな時はただ隣りにいる。心を開いてもらえるように時間をかけることも、喜んでもらえるための一歩だと思います。また、自分に舞い込んできた仕事に関しては「頼まれごとは試されごと」と捉え、わくわくしながら臨むようにしています。これは講演家 中村文昭さんの受け売りなのですが、いつも忘れない様に心に留めています。一緒に仕事をしたいと思ってもらえる人になる、ことは永遠の目標です。だから、自分がやられて嫌なことはしない。これは子どもの頃も、ビジネス場面でも守るべきこと。そのためにも、最近の自分はどうだろう、と内省は定期的に行っていますね。
甘利
一緒に仕事をしたいと思ってもらえるようになる。これってすごく大事な考え方ですね。自分を客観視してそして厳しく評価しないと、絶対に自分への甘えが生まれてしまいますからね。
橋田さん
自分を客観視するって、実は結構難しいことのようですね。自己評価が高いでも低いでもなく、バランスが大事だと思います。そのためには、自分に問いかけることが大切です。自分だったらどんな人と一緒に仕事がしたいだろうか?皆が働きやすくなるには、自分はどう動いたらいいだろうか?など、たくさんの問いを持てると、少しずつ自分を俯瞰的に見れるのではないかと思います。

仕事以外に行っている活動はありますか?

橋田さん
子どもの頃から本が好きで、社会人になり読書量を増やしたいと思ったことをきっかけに5年前から読書会に参加するようになり、そこの仲間と読書会を主催したり、著者の講演会を企画するなどの読書普及の活動をしています。そこには異業種の人がたくさんいて。医療、介護の世界しか知らない自分にとってはとっても刺激的な場でした。人と出逢い、自分の手に取らないジャンルの本と出逢い、自分の枠がどんどん広がっていく感覚にどっぷりとハマり、仕事以外の仲間ともそこから自然に広がっていきました。自分の住む地域をどんどん超えて交流する楽しさを知ったのも、この活動を始めてからになりますね。
甘利
医療に偏らず、社会の枠組みで活動する。そう言うのって本当に難しいですよね。でもそういった横断的な活動が、主軸となる本業にも必ず生きてきて、それで自分ブランドが磨かれていくんだと思います。
橋田さん
活動を通してそれを実感することが出来ました。自分の知らない社会の中に飛び込んでみて、「自分は医療・介護業界しか知らない」と衝撃を受けましたが、同時に「自分は医療・介護業界ならここにいる誰よりも知っている!」と思えました。これは、知らない世界に飛び込んでみなければ気づけなかった価値観でした。そして、業界を超えたところに困っている人がいて、仕事をつなげてくれる人がいて、想像以上に本業に繋がっています。これは、外に出たことで何が出来る人かが際立ち、その存在を知ってもらっているからだと思います。
甘利
専門性を追求することと、多くの世界を知ること。それって両方とも一生懸命って結構疲れますよね。だからこそまずは自分の強みを生かして行くこと、それが大事になりますよね。

リハビリ職のスキルアップについてどのようなお考えがありますか?

橋田さん
今は医療、介護業界も報酬改正における変化の波が強く、経営状況の悪化で移動や転職を余儀なくされることも珍しくありません。不可抗力であっても、いつどうなっても良いように状況を想定しておくことが大事だと思います。そのためには、従来の勉強会に参加しているだけでスキルアップと考えるには限界があります。もちろん専門スキルを磨くことは必要なことですが、常に「何のために学ぶのか」を考え、そこで得たものをどのように自分のものにし、どのように仕事上で活かすのか、学びの後のゴールを描けていないと勉強した気分で終わってしまいます。それではお金も時間もかけているのにもったいない。経験年数の浅い頃から、どのような言語聴覚士になりたいか、理想の言語聴覚士像をイメージして、スキルアップの計画をたて、いつどこに転職となっても良いように、「自分は何が出来る人なのか」客観的評価の視点を持ちながらキャリアデザインができるといいと思います。あとはチャンスがあれば異分野に挑戦する心を持ち合わせていると、大きなスキルアップに繋がると思います。
甘利

素晴らしい考えですね。勉強が目的化されてしまうと、なんで勉強しているのかを見失いますよね。目標達成のための手段として勉強する。そのスタンスが本当に大事なんだと思います。

これまでで一番印象的であった臨床や活動はなんでしょうか?

橋田さん
初めて一人で受け持った訪問リハビリの方はやはり印象的です。老々介護のそのお宅では、奥様が嚥下食を用意することは難しくて。どんな食事なら奥様も負担なく用意できるか、食事内容を訪問の中で確認しながら進めていました。またST分野だけではなく、在宅では総合的に評価が必要であり、脱水の評価から身体機能の評価、ADL維持のプログラムまで、暮らしの中にリハビリ視点をもち、いかに在宅生活を継続していただけるか、在宅の難しさとそれを超えるおもしろさ、工夫しがいがあることを大変学ばせて頂きました。また、看取りの現場でたくさんの「死」を見つめながら、「死生観」を自分の中にもてたことは、自分の人生をどう責任をもって生き、何に人生の時間を使っていきたいのか考える強烈なきっかけとなりました。この仕事を通して「死生観」を20代のうちにもてたことは患者様から教えてもらった自分の財産だと思っています。
甘利
死生観は絶対に医療従事者は学ぶべきものだと思いますし、常に考え続けなければならないでしょう。正解はありませんよね。僕も「正義」について日々悩みます。自分の正義が揺らいだら、正しい判断はできないんだろうなと日々考えます。
橋田さん
自分が正しいと思えることを突き詰めていくことは大事なことですね。自分が整っていないと判断もぶれてしまう可能性があるので、常に自分の中から出てきた言葉に向き合って、そこに矛盾がないか、納得のいくものなのか、考えることを放棄しないことが大切だと思います。考え続けることは苦しい作業です。時に精神修行の様ですが、正解がないからこそ常に考え続けることを仕事として捉えていきたいですね。

プライベートについて

趣味などは?

橋田さん
趣味は冒険です。といっても、一般的には旅になりますが、私は未知との遭遇を楽しんでいるので、「冒険」と呼んでいます。近場から国内、国外、一人旅、車中泊などを楽しみ、自分の知らない地域の人々の暮らしを見る度に、自分の知らない世界が広がりワクワクが止まりません。
甘利
すごい!プライベートも全力ですね!!
橋田さん
冒険の計画を練るのが本当に楽しくて、眠れなくなる夜もあります。歴史や観光学なども好きなので、冒険の際は郷土の勉強などもして目一杯楽しみ記憶に刻んでいきます。また、どちらかというとアウトドア派なので、毎年仲間と一緒に夜な夜な100㎞歩く大会に参加して、完歩することを毎年の自分へのチャレンジとしています。
甘利
100km!?橋田さんのそのバイタリティはどこから溢れ出してくるんでしょうね?それが仕事にも本当に生きているのではないでしょうか。

将来やりたいことはなんでしょうか?

橋田さん
仕事とプライベートが一緒なのですが、冒険(旅)が好きなので、全国規模で働きたいです。夢は47都道府県をお仕事で全てまわること。今は、その北海道市町村版です。お仕事でよその町をまわる時とプライベートで行く時では、見方、感じ方、楽しみ方が全然違います。もっともっと日本全国の風土を感じながら楽しみたいです。そして言語聴覚士を続けていきたいですね。あとは、これまで本にたくさん救われてきたので、自分も本を出す側になりたいな、と思っています。
甘利
本当に、冒険が仕事まで派生し「人生を楽しんでいる」と感じますね。もちろん大変なことも多いと思いますが「仕事」に忙殺されるのではなく、忙しさの中に「遊び(余裕)」があってそれが橋田さんの「人となり」を形作っているのだと思います。

学生の時にやっておけば良かったことは?

橋田さん
学生の頃は結構完全燃焼した感じはあるのですが(笑)、あえていうと、ボランティア経験数を増やしたり、授業とアルバイトと実習でなかなか忙しい学生時代だったので、もっと当時のクラスの友達とたくさん遊べると良かったなと思います。
甘利
先ほどの話から想像すると、相当完全燃焼した感じがしますねw。でも時間は有限ですから、その積極的な活動は他者が真似できないほどのすばらしいものだと思います。「遊んでおけばよかった」って言う振り返りができる人は、それだけ何かに集中できた人だと思います。

 

SNSについて

甘利
SNSを通じてこうやってお知り合いになることができました。貴重な出会いに本当に感謝いたします。橋田さんはSNSについてどう思いますか?
橋田さん
SNSは私にとって必要不可欠なツールです。自分の感覚にあう人と全世界、全国規模で出会えるものは他にありません。発信したことを誰かが拾ってくれる、私もまただれかの発信を拾い、出会いが広がり、生まれなかったものが生み出されていく、その感じが好きですね。実際にTwitterで知り合った大阪のSTさんが、私が住んでいる地域に移住されてきた時は、さらにSNSのおもしろさを感じました。SNSの中でもそれぞれ特性があるので、そこを意識しながら距離感を気を付けることもまた大事にしていきたいですね。
甘利
毎日誰かと出会うことができる。本当にすごい時代になってきましたね。だからこそそれを「使いこなす」ことで人生の楽しさが倍増になりますよね。

 

これまでの自分とこれからの自分

子供の頃の自分に言ってあげたいことはなんでしょうか?

橋田さん
幼少期の私は、今とあまり変わらない感じがします。それくらい今は自然体になれました。一番言ってあげたい時期は高校生くらいでしょうか。結構人見知りなのですが、もっと色んな人と心を開いて関わることを楽しんで、と言ってあげたいです。きっと当時の自分は気づいていなかった、同級生のいいところ、素敵なところがあったんだろうな、と思っています。
甘利
人見知りは僕も同じです(誰も信じてくれませんが・・・ 泣)。心を開くまでにどうしても時間がかかってしまいますが、一度開くことができたら後は楽しいことも沢山あるのだと自分に言い聞かせていますw。

自分の5年後・10年後はどうなっていると思いますか?

橋田さん
今の延長戦で、面白い仕事ができたらなと思います。最近母となったため、働く姿をどんどん子供に見せていきたいですね。大人として、働くこと、仕事はつくりだせること、自分の人生は自分でおもしろくすること、そこを伝えていける人でありたいと思っています。座右の銘は「一期一会」「一身二生」です。一身二生は伊能忠敬の言葉なのですが、彼の生き方にはとても感銘を受けています。人生の後半は言語聴覚士という肩書と「和」をベースとした着物を着て仕事をしたいとイメージがあるので、10年後はその生活のスタートをしていると思います。
甘利
お子さんのご誕生、本当におめでとうございます!これからはさらに頑張れる力をもらいつつ、親としての大きな責任との戦いですね。橋田さんはきっと素晴らしいお母さんになられると思います。
橋田さん
結構なお言葉をありがとうございます(笑)。前述でもありますが、私自身もまたこれからは、「やること・やらないこと」を仕分けしていくことが必要です。仕事にも子育てにも偏りすぎない、丁度よさを探ることがこれからずっと続く課題であり、目標になりそうです。そこもまた楽しんでいきたいものですね。
甘利
やらないことを決められる。それって本当に大事ですよね。

 

若いセラピストに向けて

甘利
沢山お聞きしたことばかりですが、最後に「若いセラピストに一言」を頂ければと思います。
橋田さん
私は「置かれた場所で咲きなさい。」という言葉が好きです。まずそこで、一生懸命に自分のできることを探してみる。そして自分のできることを増やしていって、その上で他の人には出来なくて自分にはできることを磨いていく。そうしていれば、「一緒に働きたい」と思ってもらえる人(存在)になれると思います。言語聴覚士はたくさんの世界を知ることと、言葉を磨くことが大事であると思っています。よく、その患者様の生活を見て、と言いますがそのためにはイメージできる力が必要です。そのためにも、たくさんの人と出逢い、話を聞き、小説や本なども読みながら多くの疑似体験をすることをお勧めします。もちろん全力で遊びも楽しみながらリアルな体験も合わせて。ぜひ、何事にもおもしろがって!目の前の人との出逢いと、挑戦することを楽しんでください!

最後に・・・

橋田さん
実は、フリーランスSTになったきっかけはもう一つあります。それは、言語聴覚士を目指す人を増やしたいということ。そのために、まずはもっとこの職業が一般的に知られることが必要と感じています。この職業の魅力をもっと伝えたいし、病気になる前に出会える言語聴覚士でありたい。そして言語聴覚士同士のつながりもとても大事。ぜひSNSでつながりましょう!

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甘利
ありがとうございました!
ぜひ皆様も橋田さんのこれからの活動をチェックください!

編集後記

これまで数多くの苦労を乗り越え、今、NPOの代表を勤められている。
多くの社会人は「絶対無理」とか「こっちの方がいいよね」とか「なんで?」
と、多くの「意見」や「文句」は言うけれども、それを「実行」には移さない。
橋田氏は
確実に「冒険」しながら前に進み、自分の夢を掴んでいる。
それは理想ではない「現実」に足をつけて歩みを進める「度胸」がないとできない。
「冒険」とは「楽しむ」ことが前提。
これからの人生に「冒険」的要素をどのくらい詰め込めるのか、
他者へのヒントは計り知れない。
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