〜国と人との”境”を超えて〜 世界を見てきた言語聴覚士 若手向けセラピストインタビューVol.20

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最近、このインタビュー企画もご無沙汰してしました。

また心機一転、ゆっくりと再開していきたいと思います。

是非、多くの方々をインタビューして行きたいと思いますので、是非、皆さま応援お願いします!!

 

これまでの他の方々のインタビュー記事はこちらから!!

インタビュー リンクまとめ

 

それでは、本日のインタビューは、言語聴覚士「井立 由紀」さんです!!

 

Vol.20   大阪府在住
言語聴覚士  井立 由紀  
甘利
よろしくお願いします!!
井立さん
よろしくお願いします!!

経歴

井立さん

麻生リハビリテーション専門学校(現:大学校)を卒業後、熊本県の病院に5年間勤務。主に療養病棟を担当し、回復期リハ、小児外来リハにも携わっていました。

その後、青年海外協力隊に応募し、合格。バングラデシュに2年間派遣され、イギリス人が設立したNPO病院にて活動していました。

帰国後、大阪の回復期リハ病院に勤務。現在、言語聴覚士・歯科衛生士チームの副主任をしています。

甘利
すごいですね。青年海外協力隊に応募され2年間バングラデッシュって、すごい行動力だと思います。きっかけはなんだったのでしょうか?

青年海外協力隊に参加するきっかけや活動内容

派遣前の活動

井立さん
専門学校時代、「児童養護施設の子供達と遊ぶ」ボランティアに3年間参加していました。社会人4〜5年目になり「仕事も慣れてきたし、何かまたボランティアしたい。できれば言語聴覚士を活かしたものを」と思い、インターネットで「言語聴覚士 ボランティア」と検索したのが、きっかけでした。
甘利
なるほど、学生時代のボランティア経験が海外での活躍のきっかけだったんですね。実際は応募の後どういった流れになるのでしょうか?
井立さん

1次審査は履歴書のような書類と健康診断書、英語の試験の結果(TOEICや英検など)を送ります。2次試験は面接でした。合格すれば、合格通知に派遣国が書かれています。そして派遣前訓練を70日間受け、その後各国に派遣されます。

私は2013年6月にバングラデシュに派遣されました。

甘利
すごい!
派遣前訓練って実際にはどんなことを行うのですか?
井立さん
70日間、訓練施設(長野県または福島県)にて合宿のようなものが行われます。そこで語学訓練や安全管理、社会的多様性の理解などを学びます。朝9時から15時まで毎日語学訓練です。私はバングラデシュが派遣先だったので、ベンガル語でしたが、メジャー言語は英語、フランス語、スペイン語。マイナー言語はシンハラ語、キルギス語、ウズベク語など様々です。
甘利
バングラデッシュ・・・。未知な世界だな〜。語学以外の訓練は?
井立さん
他には運動会が開催されたり、夜の空いた時間に音楽好きが集まって楽しんでいたり、サッカーの試合をしたりと、高校生の合宿のようでした。
甘利
その環境だとみんなと仲良くなりますね!
井立さん
はい。協力隊の同期とは70日間24時間毎日一緒だったので、すごく濃い仲になりました。派遣後は別々の国でしたが、帰国した今でも連絡をとったり、遊んだりしています。協力隊同士で結婚する人たちも多いですよ。

派遣先での活動

井立さん
イギリス人が設立したNPOのCRP(Center For the Rehabilitation of the Paralysed)という病院に派遣されました。もともとは脊髄損傷患者を対象とした病院で、現在は整形や脳卒中、小児外来など様々な部門があります。また職業訓練部門、義肢装具部門、木材・金属・紙などの家具や車椅子を作る部門、特別支援クラスもある小学校、セラピスト育成の大学など、さまざまな部署があります。
甘利
海外の病院はどんなイメージかわかないけど、日本とは色々と違いそうですね。
井立さん
私は脳卒中の言語療法部門にいましたが、時間をみては小児リハ部門や職業訓練部門など別部門によく遊びにいって語学を高めたり、人脈を増やしていました。また日本のように小児用のおもちゃはありませんので、紙(段ボールなど)で家具やおもちゃを作る部門にいき、おもちゃや小児用の椅子・机を作っていました。成人用の訓練道具ももちろんありませんので、ひたすら絵カードや文字カードを作って、印刷し、ラミネートかけて・・・をスタッフと一緒にしていました。AMSD・SLTAのベンガル語版も作りましたね。
甘利
他言語での言語訓練って想像以上に難しいですよね。僕も以前病院の外来リハビリを担当していた時に、ポルトガル語が第一言語の患者さんに失語訓練をやっていました。やはり少しでもその言語について勉強しないと難しいですよね。
井立さん
ポルトガル語!すごいですね。英語と似てるのかな?失語の方なら、錯語なのか、ポルトガル語なのか、わからないですよね(笑)
甘利
やること(訓練)は日本語と基本的には一緒ですよね。エラーを見つけてそれを修正していく。使う道具やコミュニケーションが他言語という点以外は。でも僕はマンツーマンでやるのは限界があったのでバイリンガルの奥様に通訳してもらいながら行なっていました。井立さんのように語学訓練を受けていないので、毎回コミュニケーションには自信がなかったです(苦笑)
井立さん
私も語学研修を受けたと言っても、70日間でペラペラ話せるわけでもなく。それでもポイっと現地に送り込まれるんです。日常生活を送るために買い物や近所付き合いをしないといけないので、強制的に(?)話せるようになっていました。半年くらいで、日常生活に困らない程度には話せるようになっていたと思います。
甘利
習うより慣れろ、かな。
井立さん

後は周りがSTばかりなので、発音や文法は直してくれました。日本語にはない発音があるんです。スタッフは「失語症患者」のように対応してくれてたんじゃないかなと思います(笑)スタッフたちの言語訓練のおかげで、2年間で軽度失語症くらいにはレベルアップなったのではないかな。

 

訓練の実際は?

井立さん
技術的な指導は、スタッフが私にみてほしい患者さんがいれば、声をかけられ、Onjobで指導をしていました。失語や構音、嚥下、脳性麻痺、自閉症など、いろんな患者さんをみていました。
甘利

なるほど。こちらの訓練と同じ印象ですが、訓練資材がなかったり言葉の壁だったり、色々とここでは語り尽くせない苦労があったかと思います。

臨床以外ではどんなことを行っていましたか?

井立さん
活動外では車椅子バスケットを通して、障害者理解の普及活動をしていました。もともとCRPには「車椅子になれるためのレクレーション」として車椅子バスケはありました。私自身は車椅子バスケについてど素人でしたが、YouTubeで試合をみて、イルカのようにスイスイ車椅子でプレイをするプロ選手をみて「バングラデシュでも普及させて、障害者への理解を深めてもらいたい」と思いました。
甘利
すごいですね。でも活動をしていくには大きな支援も必要ですね。
井立さん
はい。JICA事務局に協力してもらい、短期ボランティアで「指導者」を募集。CRP内で1ヶ月間の車椅子バスケの合宿を開催し、私は通訳として携わりました。今でも選手たちとは連絡をとっていますね。最近はインドネシアやネパールで試合したとか。社会的地位が低くなりやすい障害者である彼らが、海外に行く経験ができているのが誇らしいです。
甘利
すごいとしか言えないですが、そんなにたくさん活動していたら地元では有名になりますね。
井立さん
1回だけTV出演もしました(笑)。バングラデシュはイスラム教で「児童婚」がいまだにあります(そのため脳性麻痺の子供が多い可能性があるとききました)。児童婚防止を呼びかけるドラマに花嫁役で出演(笑)とてもいい経験をしました。
甘利
ちょっとそのドラマ見てみたいです 笑。
さて、では日本に帰国してからの活動も伺いましょう。

 

帰国後の活動

今の職場・法人の特徴はなんでしょうか?

井立さん

当院の特徴としては、世界でも珍しい喀血のカテーテル治療を行なっており、その件数は世界でもトップレベル。回復期リハは南大阪では最大の病床数、大阪内でも4番目に多い病床数です。

リハ部の特徴として、VRやReoGoの最新機器が取り揃っており「根拠に基づいた攻めるリハビリテーション」を理念に、EBMを実施しています。多数の研究チームがあり、大学院進学者も多く、意欲的なスタッフが多いです。

スタッフ総数は120名と多く、部門長は30歳代、平均年齢も20歳代と若くて元気があります。部署間は仲がよく、これだけの人数がいるなか、派閥はありません。

言語聴覚士・歯科衛生士チームも10名以上いますが、和気藹々で、プライベートでもよく飲みにいったり、遊びに行ったりしています。私も今年、主任とUVERworldのライブに行きました(笑)

甘利
なんか絵に描いたような素晴らしい職場ですね。井立さんのエネルギッシュなパワーが発揮されやすそうですね。
井立さん
そうですね。私が「これしてみたいな」「これを導入してみたいな」という意見を結構取り入れてもらえます。去年、就職面接において「グループ面接」をしたいという意見を取り入れたいという案を取り入れてもらえました。ほんと好き勝手させてもらっていますね(笑)

 

回復期リハの魅力と、他のステージでの役割の違いについて

井立さん
療養病棟では、進行性の疾患の方が多く、関わる時間も年単位でした。「緩やかに最後をむかえる」ことが目標になりやすかったですね。経口摂取ができていた患者さんが誤嚥性肺炎を繰り返し、胃瘻になる過程を経験し、自分の非力さを感じました。長く担当させてもらっていた患者さんを本当の家族のように感じることもあり「どうしたらこの方が亡くなるときに「いい人生だった」と感じることができるだろうか」とよく考えていました。できなくなることが多いなか工夫をしてできることを考えて、「生活の中での楽しみ」を患者さんと一緒に考えたり、行なったりすることにやりがいを感じました。
甘利
そうですね。どうしても「今の状態から改善する」ということが難しい方々もいらっしゃって、現状を少しでも維持していくという目標のもと介入することも多いですよね。だからこそ本当に知恵を絞って介入することが求められます。
井立さん
そうなんですよね。患者さんのことを知らずに「これをしてあげたい」では、マスターベーションになってしまう。患者さんがどんな人生を歩んできたのか、何が好きなのかなどを知った上で、訓練に反映させていく必要はあるのかなと思います。そのためには信頼関係の構築や仕事以外の経験・知識など、ST以外のスキルが必要になってきますよね。
甘利
まさにその通りだと思います。
小児外来ではどのようなリハビリをされていましたか?
井立さん
小児外来リハでは、成人と違い、おもしろくなければ、訓練自体をしてくれないので、まずは遊ぶこと・興味をもってもらうことが大変でした。また正常発達も頭に入れておかなければならず、勉強会によく行っていました。子供の「できた!」の表情は何よりもやりがいを感じる瞬間でしたね。
甘利
そうですね。小児リハも本当にアイデアが求められますね。

回復期リハで得られることは本当に多かったのでは?

井立さん
回復期リハでは、自宅退院・職場復帰を目指す方が多いため、目標設定を明確にすることの大切さを感じています。同じ症状でも、目標が違えば、訓練の優先順位ややり方も変わってきます。そのためにたくさんの検査をしますし、分析も細かくします。療養と違い、目標が明確なことが多く、その目標達成のため、他職種連携が大切だと思っています。また入院期間も決まっているため、できることが限られたり、当初の目標を変えざるを得なくなることもあります。入院時よりも症状が軽快することが多く、患者さんが食べることができるようになったり、やりとりが難しかった患者さんと楽しく話せる瞬間にやりがいを感じます。また患者さんの入れ替わりが多く、一期一会を感じますね。
甘利
海外でのST業務と日本でのST業務の違いについてはいかがでしょう?
井立さん
業務かどうかわかりませんが、日本の環境はほんとに恵まれているんだなと感じることが多かったです。
甘利
なるほど。
井立さん

バングラデシュで活動していた当時は、言語療法は立ち上げから10年目。一番長い経験者でも5年目で、有資格者は60名、資格が取れる学校は1校のみ。海外からの講師を呼んで授業が行われることが多いため、教科書や授業は英語で行われます。また検査道具がないので、授業で検査を翻訳し、作成すると聞きました。初回スクリーニングではWABを使用していましたね。

甘利
そうなんですね。
井立さん
あまりにも英語ができない私にスタッフが「日本は授業や教科書は英語ではないのか、海外研修などないのか」と尋ねられ、全て母国語であることを伝えると「あなたは恵まれている」と驚かれたことを今でも覚えています。
甘利
そうなんですね。母国語で授業が行われていること自体が「恵まれている」ことなんですね。日本のSTや医学全般も昔は英語の教科書を用いていたと聞きます。

教育格差や教育の内容についても諸外国ではまだまだ課題も多いのでしょうか?

井立さん
「識字率」の壁もありました。発展途上国のため、教育も行き届いていないことがあります。今でこそ、整ってきていますが、患者さんの層である60歳以上や貧困層の方は学校に行っていない方が多いです。そのため、「もともと字が読めない」「計算ができない」人が多くいました。訓練立案において、手段が狭くなり、工夫が必要でした。訓練立案では、宗教や文化、教育の違いを多く感じることが多かったです。
甘利
なるほど。教育歴が日本より圧倒的に大事な情報になりますね。使用する道具も悩みはありそうですね。
井立さん

言語聴覚士の七つ道具の一つである「絵カード」は全くなく、スタッフ個人が手作りしていましたが、わかりにくい絵ばかりでしたし、個人で作っているため、スタッフ間で訓練内容に差が出ていました。

小児用のおもちゃも同様で、中国性のプラスチックのおもちゃはありますが、プラスチック製品は高く、訓練道具として使えるものが少なかったです。

いろいろと「ない」ことが多く、「ないなら自分で作る」ことが多かったですね。

甘利
ない時に買ってもらうことが当たり前になる。そういった風潮は日本では少なからずありますよね。個人に合ったものを作っていくことも本当に必要な職種だと思います。
井立さん

日本は多くの先輩方が道を開いてくれており、教科書も検査道具も、訓練道具もお金を出せばあります。わからなかったら尋ねる相手もいます。学べる場も多いです。英語ができないから学べないということはありません。

この日本での環境が当たり前ではないことを痛感し、日本で言語聴覚療法の道を広げてくださった先輩方の偉大さを感じました。

 

KoKoRoコミュニティに参加されたきっかけや想い・目標は?

甘利

この度、2020年4月からスタートした弊社のKoKoRoコミュニティですが、その第1期生として募集して現在も活動して頂いております。そんなに大々的に広報した訳でもなくSNSで広めていたくらいですが、その参加のきっかけなど教えてください。

合同会社KoKoRo企画

「あったら良いな」を創造する会社…

井立さん

失語症友の会を立ち上げるにあたって、何をどうすればいいかわからなかったので、Facebookで言語聴覚士のグループに相談し、萩野さんとつながったことがきっかけです。萩野さんにKoKoRoコミュニティを紹介していただきました。

言語聴覚士をやめようかと考えていたときに、知人に「言語聴覚士はもういいやと思うくらい、極めたの?極めてからやめても遅くはないんじゃない」「言語聴覚士はあなたにとって天職のように思えるよ」と言われたのがきっかけで、認定言語聴覚士を目指そうと思いました。

失語症友の会を立ち上げることも目標ですが、認定言語聴覚士になることも目標としています。

甘利

ちょうど、このコミュニテイのプロジェクトで「失語症友の会の設立を支援する」という企画がありました。その活動の中心が、すでに愛知県で多彩な活動をされている萩野先生です。その出会いは貴重ですね。

井立さん
はい。本当に知り合えて良かったと思っています。

 

失語症友の会の設立への熱い想いは?

井立さん

回復期リハを終え、退院される患者さんやご家族さんに「今後も訓練ができる機関はないのか」「年齢も若く、デイケアには通いたくないけど、人との交流は促したいがどこかいいところはないか」と尋ねられることが本当に多いです。当院や周辺の機関では、外来での言語訓練や交流できるところは少なく、案内できないことを申し訳なく思っていました。

バングラデシュで経験した「ないなら自分で作る」しかないことを思い出し、失語症友の会の設立を決めました。

甘利

本当にすごい活動力ですね。それらアグレッシブな活動の原動力はなんでしょうか?

井立さん
アグレッシブですかね?(笑)あまり自分ではわかりません。「誰かの役に立ちたい」という気持ちが人よりも強いのではないかと思います。数年前はその気持ちが強く出て、言語聴覚士をやめようかなと思ったほど。また「できるかできないかは、やってみないとわからない!」という負けん気と好奇心が強いことが、原動力でしょうか?
甘利
パワーが有り余っているくらいに本当にすごいです。そのパワーをぜひこのKoKoRoコミュニティ内でも引き続き発揮して頂きたいです!

 

自分の性格や趣味などは?

井立さん

自分の性格ですか(笑)けっこう人見知りです。中学・高校不登校で、中学は児童相談所に通っていました。同じ歳の子が、同じ空間にたくさんいて、同じ服をきて、同じことさせられることにやや違和感をもっており「早く大人になりたい」と思っていました。専門学校時代以前の友人とはほとんど繋がりはなく、社会人になってからの友人の方が多いです。

甘利

僕も人見知りです。だから本当はコミュニティとか苦手なんです。

こんな話をすると「またまた〜」って言われるのですが、よく知っている人からすると「コミュニティ作っただけでも一歩前進だね」って言われます。

井立さん
甘利さん、人見知りなんですか?(笑)それなら一歩どころでなく、100歩くらい前進してそうですが(笑)
甘利
自他共に認める「人見知り」です!笑
井立さん

私は負けん気と好奇心は人よりも強いですが、飽きることも多いです。あとは人より疲れやすく、周りの顔色を気にしがちです。何かに興味をもって、根詰めて取りかかり、バタンと倒れることが多いですね。

最近「HSS型HSP」という言葉を知り、人の目を気にしすぎてしまうこと・体力や気力を調整して使えないことは、気質なのかもしれないと思うと、ちょっと楽になりました。

甘利
僕も熱しやすく冷めやすく、そしてパワーバランスが崩れて疲れがドッとくるタイプですが、自分を知ってコントロールができるようになってくると案外この性格は良いことも多いなって最近は思っています。趣味とかありますか?
井立さん

趣味は読書とタヒチアンダンスです。小さい頃から本を読むことが大好きです。自己啓発本も読むことは好きですが、尊敬するコンサルタントの方にどんな本を読んでいるのか尋ねると「心が豊かになるような小説を読みなさい」と言われてからは、あまり自己啓発本は読んでいないですね。原田マハさん、東野圭吾さんなどの本を読んでいます。

甘利
なるほど。読書もいろんな影響を受けるので自分が必要とするものを手に取ることが大事ですね。全く素人で申し訳ないですがタヒチアンダンスってなんでしょう?笑
井立さん

打楽器や音楽に合わせて、大胆な動きと早いテンポで踊ります。フラダンスとちょっと似ていますね。女性は腰に、男性は足の動きに特徴があります。衣装はフラダンスのような感じですが、布の面積がとても少ないですね(笑)

井立さん
タヒチアンダンスは前の職場の先輩がしていて、かわいい衣装とダンスに一目惚れ。週一回1時間ですが、習いに行っています。飽き性の私が4年も続けています。たまにハワイアンレストランで踊り子をすることもあります。職場以外の人と話したり、身体を動かすのはストレス発散になりますね。

 

仕事の時間の使い方で工夫されていることは?また普段はどんな時間の使い方をしていますか?

井立さん
職場環境に恵まれており、基本的に残業することは少ないです。自分自身、キャパが狭いので、やらなきゃいけないこと・いつまでにしないといけないかを明確にし、見えるところに貼っています。また自分だけでは終わらないと思えば、早めに周りに声をかけています。
甘利
自分のキャパを知っていることって意外にみんなできないし、もしかするとそのキャパって今の自分には合っていないかもしれませんよね。それを意識して仕事量を調整できるのって本当に大事なスキルだと思います。
井立さん

そうですね。客観的に自分を見たり、分析していかないと難しいですしね。「できない自分」を直視しないといけなくなるから、できれば考えたくないし、逃げたくなる!でも成長するためには「自分のキャパを知る」って大事ですよね。

あと私はたくさん寝ないとパフォーマンスが落ちるので、10時半にはベッドの中に入って、7時間は寝ています。なので、テレビをあまり見ないようにしていますね。テレビをつけているとあっという間に2時間くらい過ぎてしまうので。テレビの代わりにラジオや音楽を流しています。平日でもお風呂に浸かって読書をしたり、勉強したりしています。

甘利
睡眠って本当に大事ですね。最近切に思います。僕は完全に睡眠障害ですが 苦笑。
井立さん
私の周りにも、結構寝れない方います。原因はいろいろだから、なかなか難しいですよね。私もたまに寝付けないことがあるので、普通に「寝れる」って幸せなことだなと思います。

 

リハビリ職のスキルアップについて

井立さん

高次脳機能分野の認定言語聴覚士を目指しています。学会発表も経験がないので、挑戦していきます。今年は回復期リハビリテーション学会で、初めて発表する予定でしたが、コロナの影響で中止になりました。残念です。

あとは日本語以外の言語に対応した言語聴覚士を目指すのもおもしろそうだなと思い、KoKoRoコミュニティで英語の勉強もさせてもらっています。

甘利
そうですね。KoKoRoコミュニティ内の「英語に触れよう」プロジェクトにも参画されていますね。
井立さん

以前ろう者の方を担当させてもらったときに、手話版WABを作って楽しかったですね。同じように多言語に対応できる何かを作り上げたいなと思っています。

甘利
海外での経験からも、そういった多言語への意識は他の方々より高いのだと思います。ぜひそういった面でも活躍して頂きたいです。

 

普段の臨床で特に大事にされていることは?

井立さん

「患者さんは自分の家族と思いなさい」と先輩に言われたことを今でも大事にしています。「患者さん」ではなく「人生の大先輩」なので、よく人生相談をして、たくさん教わっています。

また信頼関係も大事にしているので、フリートークの時間も大切にしています。自分が楽しくないと相手も楽しくないと持っているので、基本的には、自分が「おもしろい、興味深い」と思うような訓練をしています。

甘利
これまでで一番印象的であった臨床はなんでしょうか?
井立さん

失語症の女性の方で、反響言語(おうむ返し)や「よかよか」の残語がほとんどの方でした。トイレの訴えができればと思い「トイレ」と言う練習をしていました。ある日、訓練中に、患者さんが突然「便所!!」と言った顔と声を今でも覚えています(笑)患者さんの言語環境を知らないと、訓練の意味をなさないんだなと感じました。

また同じ患者さんですが、フリートーク中に私が「今日は職場の飲み会です」と話すと「一番、誰が飲むとや?」と突然発語できたことに、私も言った本人も驚き、2人で喜んだことが印象に残っています。その後、ご家族に「最近、私が本を読んでいると「何の本読んどーと?」と言葉が出たんです」と報告を受け、言語聴覚士やっていて良かったと思いました。

甘利

それは嬉しいですね!!

学生の時にやっておけば良かったことはありますか?

 

井立さん

もっと真面目に英語の勉強しておけばよかったーってちょっとだけ思いますが、人生に始めるのに遅いことはないので、あまり「やっておけばよかった」と感じることはないですね。

甘利
英語は僕も本当に思います・・・苦笑

子供の頃の自分に言ってあげたいことは?

井立さん

人のいうことをあまり聞く子ではなかったので、聞いてくれないと思いますが(笑)

「鬱っぽくなってしまうのは、夜早く寝て、朝早く起きないからなのと、女性特有の生理現象だよ」というくらいでしょうか(笑)親に心療内科に連れて行かれたくらい精神的に落ち着かなかった時期が長かったです。

自分よりも両親に「心配しなくても、立派な社会人になれますよ」と言ってあげたいです。

甘利

素晴らしいですね。

自分の5年後・10年後はどうなっていると思いますか?

井立さん

仕事の他に何か楽しいことをやっていてほしいです。それが失語症友の会だと良いなと思います。大好きな人たちと楽しいことをワイワイしていたいです。あとダンスがもう少し上手になっていますように!

5年後、10年後、自分は何をしていて、どこに住んでいるのか、考えるとワクワクしますね。

 

最後に若いセラピストに向けて一言!

井立さん

人生一度きりですし、私たちは日本人ですが、地球人でもあります。世界を知らずに、死ぬのはもったいないかなと個人的に思います。もちろん日本のことも。いろんなところに行ってみてほしいなと思います。

あとは失敗を恐れずに、何にでも挑戦して欲しいですね。

甘利
ありがとうございました!!

力を抜いたトーク・・

井立さん

いろいろとまじめに書きましたが、全然普通の人です(笑)記憶がなくなるまでお酒飲んじゃいますし、恋愛運ありませんし、鼻ピアス開けてますし、田中みなみみたいになりたいと思っています。愚痴もめちゃめちゃ言います。ダイエットも三日坊主です。KingGnuの井口さんのラジオで下ネタを聞いて、ニヤニヤするのが好きです(笑)一人じゃ何もできません。周りに頼りまくっています。

私がいろいろ挑戦できるのは、周りの方のおかげです。

活動していたCRPは常時、海外ボランティア(短期・長期)を募集しているので(見学やインターンも可)、興味がある人は案内しますし、直接問い合わせてもいいかと思います。

今回のインタビューも甘利さんが上手に質問をしてくれていたので、回答しながら「私、なんかすごい人みたいになっているなぁ」と思いました(笑)

友人がこれをみたら、笑われそうです。

甘利

そうかもしれませんね。でも改めてこうやって整理すると、みなさん本当に素晴らしい方々だと改めて思います。

素晴らしいインタビュー、ご協力ありがとうございました!!

編集後記

自分の良いところ、悪いところを知っている人って、どれだけいるだろうか?

自分のキャパを知っている人はどれくらいいるだろうか?

意外に少ないのだと思う。

もちろん無理をし過ぎないというのは大事だが、自分の限界点のかなり手前に限界を設定してしまうことで、

新しい可能性や、チャレンジができなくなってしまうこともある。

井立さんは、自分を知り、そして自分に正直に毎日を生きている。

世界に飛び立ってきたその勇気と、さらなる飛躍のための日々の努力を惜しまない。

自分に向き合い、そして努力する。

それは「あたり前」なことかもしれないが、一番「難しい」のだと思う。

 

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