「リハ栄養」という分野を徹底して職場に浸透させる 若手セラピストインタビューVol.17

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最近は、SNSでご依頼させていただくケースが増えていますが、今回もツイッターからのご依頼です!

 

これまでの他の方々のインタビュー記事はこちらから!!

インタビュー リンクまとめ

 

それでは、本日のインタビューは、理学療法士「たみお」さんです!!

 

Vol.17 徳島県在住 理学療法士
30代   たみお  

Twitter: @00tamio00

ブログ:https://rehabilitation-nutrition.hatenablog.com/

メディッコ:https://medicco-lab.com/

経歴

これまでの勤務経験は?

たみお 氏

県内の専門学校を卒業した後、今の慢性期病院に入職して、10年目になります。

甘利
今の職場・法人の特徴はなんでしょうか?また役職や職場内プロジェクトなどありましたら教えてください。
たみお 氏
一般的な慢性期病院です。今年初めに前任の主任PTが退職されて、新しくリハビリテーション室の主任になりました。職場内のプロジェクトとしては、昨年1月から院内でリハ栄養チームを立ち上げました。低栄養やフレイルの入院患者さんに対して、多職種でアプローチする仕組み作りを模索しています。
甘利
素晴らしいですね。リハ栄養は今や重要視されている分野の筆頭です。その立ち上げとなれば多くの苦労があったかと思いますが、どんなエピソードがありましたか?
たみお 氏

最初は、このチームで使用するアセスメント表などのベース作成に苦労しました。僕自身リハ栄養の勉強を始めて間がなかったので、運動機能の評価以外はあまり知識がありませんでした。この部分は管理栄養士と日々情報交換して、評価項目のすり合わせを行い作成していきました。

それから当院は電子カルテでは無いので、他職種がどのように患者さんに介入しているかの共有にタイムラグが生じる事があります。僕はその点をある程度「リアルタイム化」したかったので、そのためのツール選定にも悩みました。現在は院内のローカルネットワークを使い、エクセルファイルでタイムラインを作成して共有し、他職種がいつでも見られるようにする形で進めています。(他に何かいい方法があれば教えてください 笑)

あとはカンファレンスの時間調整にも苦労しました。どの職種も基本業務が忙しく合間の時間をぬって来ているので、カンファ開催の日時とそれに要する時間配分は、今も他職種の業務に些細支えがないよう注意しています。

甘利
そうですよね。ベースを作るのって非常に大変ですよね。「0」から「1」を生み出すのは「1」から「2」にする何十倍も大変ですからね。

仕事をする上で重視していることは?

たみお 氏
やはり多職種連携を重視しています。患者さんへのアプローチは自分一人では成り立たないと思っているので、医師、薬剤師、看護師、事務職員などとうまく連携を取り合い、できるだけ効率よく質の高い多職種介入ができるようにしたいと思っています。
甘利
なるほど。具体的には日々どのようなことをされていますか?
たみお 氏

個人的には報連相ができる関係作りを意識して、他職種と日々接しています。お互いに分からないこと、伝えるべきことを伝えられるように、相手の仕事を尊重しながら接するように心がけています。

しかし院内全体を見ると、まだ連携が不十分な場面も見られるので、今後は多職種連携に関連した院内研修の開催なども行っていきたいと考えています。

甘利
なるほど。院内研修はとても大事ですよね。他職種連携で気をつけていることは何でしょうか?
たみお 氏
他職種の「強みを理解すること」「敬うこと」ですかね。関わっている職種のそれぞれの強みを理解して、できることはこちらから積極的に加わり、できないことはお願いするというスタンスでいます。それからどの職種も基本的に自分の業務が忙しいので、まずは労いの言葉をかけ、お互いに対等な立場で話ができるように意識しています。
甘利
言葉って大事ですよね。お互いがリスペクトしていると、自然と感謝の声が出て来ますから、気持ちと言葉ってリンクしていると思うんです。そして対等な立場ってとっても大事です。多職種が連携するためには対等なやりとりが必要不可欠だと思っています。
たみお 氏
おっしゃる通りだと思います。職員がこれを理解して実践できれば、ひいては患者さんに対しても質の高いサービスが提供できると思います。

 

リハ栄養について

リハ栄養にお詳しいですが、そのきっかけは?

たみお 氏
リハ栄養を学ぶきっかけは、若林秀隆先生の講演を聞いたことです。その講演で、「長期入院患者はサルコペニアが多い」という言葉を聞いて、「うちの病院も同じような患者さん多いな・・」と思いました。それまでうちの病院では、NSTなどの確立された多職種チームがなかったので、リハ栄養ならうちでも取り組めるチームだなと思い、勉強を始めました。元々運動と栄養両方の重要性は感じていたので、実際学んで取り組み始めて、より栄養士や看護師との連携が取りやすくなりました。
甘利
僕も若林先生の講演を2年目くらいに聞きに行きました。すごく衝撃的で、なるほどこれは勉強が必要だと思いました。でもそれから行動に移すのが、たみおさんは非常に早かったんでしょうね。学んでから行動に移すまでのタイムラグが短いのは非常に素晴らしいと思います。
たみお 氏

興味が湧いたことに関しては、考えるより先に動いちゃうタイプです。笑

結果的にうまく回ってると思うのでよかったです。

 

糖尿病療養指導士というのは?

たみお 氏
糖尿病療養指導士は、糖尿病患者さんに大切な生活の自己管理を指導する医療スタッフです。具体的には、運動、食事、血糖などを適切に自己管理できるように患者さんに指導します。当院での僕の役割としては、糖尿病に対する運動指導を患者さんに行っています。
甘利
なるほど。栄養の視点を持ちつつ運動指導をするということは、僕みたいに実際にどんなことをされているか詳しくなくても、相乗効果で非常に有効なんだと感じます。スポーツの分野でも本当に「栄養と運動のバランス」の重要性は日々高まっていると感じますし。糖尿病の方は非常に多いですから、需要もたくさんあるのではないでしょうか?
たみお 氏
そうですね。特に僕の住む徳島県は、残念ながら糖尿病罹患率が高いです。なので患者さんもたくさんいらっしゃいますから、その方々に運動指導をして進行を予防することも理学療法士には求められていると思います。また糖尿病はサルコペニアとも関連があるので、自分の勉強している事がリンクしていてよりやりがいを感じますね。
甘利
理学療法士さんでリハ栄養を学ばれている方はたくさんいらっしゃいますか?
たみお 氏
全国的に見れば、理学療法士で学ばれている方もたくさんいらっしゃると思います。しかし僕の住む地方では、積極的に学んでいる人はまだ少ない印象がありますね。
甘利

そうなんですね。僕のイメージでは、意外とSTよりPTの方がリハ栄養に取り組まれているイメージです。いかがでしょうか?

たみお 氏
そうなんですね。僕の地域ではリハ栄養に関する研修はあまり多くないので、その点も少なく感じる理由なのかも知れません。

 

普段の臨床でリハ栄養が効果的だった具体的な事例は?

たみお 氏

長期入院で経口摂取不可、低栄養と低活動によるサルコペニアの患者さんで、PT・OT・ST・栄養士・看護師で6ヶ月間多職種介入を行いました。現在では経口摂取で3食全量摂取が可能になり、それまでベッド上寝たきりだった生活も、筋力と持久力が向上して日中車椅子座位で30分程度リハビリを行えるレベルまで改善しました。

退院とまではいきませんが、患者さんの「ご飯が食べたい」という希望が叶い、生活の質が向上した点で効果的だったと思います。

甘利
素晴らしいですね。多職種が一つの目標を達成することは、一つの職種が達成したものの足し算ではなく、掛け算的な効果があると思っています。若いセラピストがリハ栄養を学ぶ際に、伝えたいことはなんでしょうか?また興味があまり高くないセラピストに伝えることは何かありますか?
たみお 氏
興味を持つ人、持たない人両方に対してですが、栄養管理無くしてリハビリはないということは伝えたいですね。筋肉・骨格を作るのは栄養が必要不可欠です。運動だけに固執せず、幅広い視野を持って臨床に望んで欲しいと思います。
甘利
多分、みんな必要性は理解されているんでしょうね。でもそれに突っ込んで勉強したり、たみおさんの様に組織化するところまで力を注ぐことができていないのではないかと思います。だからこそ、たみおさんのような活動が魅力的に感じて、みんなリスペクトなんだと思います。
たみお 氏

リスペクトなんて恐れ多いです。笑

でも勉強し始めると奥が深いので、興味ある方はぜひ!

 

管理栄養士や医師とどのような連携を普段されていますか?

たみお 氏

医師に対しては、多職種介入における目標の共有や、栄養補助食などの追加カロリーについてのアドバイスや許可をもらっています。

また管理栄養士とは、介入する患者さんのエネルギー摂取量はどれくらいか、それに対してのエネルギー消費量は適正なのかなど、具体的な議論を行っています

甘利
素晴らしい。こういうのってNSTがある医療機関でもリアルタイムにはできていないと思うんです。だから週に1回とかでたくさんの人を検討する。でも本当は「今」見直すことが「質」を支える基本だと思うんですよね。
たみお 氏
そうですね。以前より連携を取りやすくなったのもリハ栄養チームを立ち上げた結果だと思うのでよかったなと思っています。
甘利
リハ栄養の知識を持って、ご自身の生活にも取り組まれていることは何かありますか?
たみお 氏
あんまりないんですけど(笑)僕は太っている方なので、ダイエットする際にカロリー計算やエネルギー消費量の計算をしてるくらいですかね。でもここに関しての意思が弱くて継続はできていません(笑)
甘利
意外ですね 笑。でも知識があると普通のダイエットとは違った観点も生まれてくるんだと思います。

SNSでの活動

ブログも配信されていますが、その目的や今後の目標などありますか?

たみお 氏
ブログは自分の知識のアウトプットや保存がわりに使っている感じです。最近はなかなか更新できていなくてもどかしいので、また再開したいと思っています。いくつかブログ開設しているので、もう少し焦点を絞って今後はやっていきたいなと思っています。リハ栄養のブログに関しては今後も続けていくので、興味ある方は覗いて欲しいなと思います。
リハ栄養「rehabilitation-nutrition」な日々

理学療法士がリハ栄養やリハビリのことについて解説していくブログ。少しでも皆様のお力になれれば。…

甘利
素晴らしいブログですよね。分かりやすいし。こういった記事を読みたいと思う人は本当にたくさんいると思います。ぜひ、継続頂きたいです。でも僕もブログをやっていますが、継続するのが一番大変なんですよね。僕も頑張ります 笑。
たみお 氏
ありがとうございます。

部外での活動は?

たみお 氏
地域住民の方に対して、健康に関する話題で定期的に講演をさせて頂いています。2018年度はコミュニティセンターやシルバー大学などで計5回ほどさせていただきました。今年も地域貢献の一環として、続けていきたいなと思っています。
甘利
これからは、さらにこういった活動が貴重になって来ますね。どんどんセラピストが地域に出て行くようになる。
たみお 氏

そうですね。社会貢献することはセラピストの認知度を高めていくことにもなりますし、個人としてもコミュニティを広げるきっかけになります。これからもチャンスがあれば取り組んでいきたいと思います。

甘利
そうですね。認知度って以外に低いんですよね・・(苦笑)
たみお 氏

それから、2019年4月にリリースした、多職種連携をテーマにしたコメディカルサイト「メディッコ」の運営メンバーとしても参加させてもらっています。去年の夏頃からメンバーとコンテンツを練っていき、リリースされた時は感慨深いものがありました。「この職種って普段どんな仕事しているんだろ?」「多職種でのこの問題、どう解決する?」などの疑問に答えられるような座談会やコラムが多数揃っています。今後もメディッコメンバーの一員として、イベントなど色々と活動していきたいと思っています。

メディッコ

あなたが育てる、あなたと育つ医療メディア…

甘利
「メディッコ」は本当に素晴らしいサイトです。このサイトを見てから、僕は自分のブログサイトに自信を持てなくなり手が止まりました 笑。完敗ですよね、素晴らしいサイトです。皆様ぜひ見ていただきたい!
たみお 氏
ありがとうございます!
甘利
メディッコでは、たみおさんはどのような活動をされていますか?
たみお 氏
メディッコでは編集部として記事の編集や入稿作業、また座談会・コラムの参加者として携わっています。あと医療用語集のイラストも少しだけ書いています。
甘利
メディッコは、役割分担が秀逸なんだと感じます。無駄がなく、事前の役割整理がしっかりとされている様子がわかります。

 

SNS全般について、どのようなお考えでしょうか?

たみお 氏
今では情報をいち早く入手できるツールとして大変重宝しています。と言っても、本格的に使い始めたのは一年前くらいで、それまではぼーっと眺める程度でした。ブログやメディッコに出会えたのもSNSがきっかけなので、僕はSNSの活用で人生変えられました。ただし、いろんな意見や情報が出回っているのも確かなので、自分の中で取捨選択することが大事だなと思います。
甘利
そうですね。情報の処理をどのように行うのかはこれからの重要な「スキル」だと思います。たくさんインプットしてそれを処理する工程に、センスや技術が求められて行くでしょうね。

 

リハビリ職のスキルアップについて

たみお 氏

僕の中では、理学療法士としての知識や技術のスキルアップは、患者さんに質の高いリハビリを行うために常に必要なことだと思っています。でもそれだけでは足りない部分もあるんじゃないかなと漠然と思っていて、例えば自分の好きなこと・興味のあることにも取り組んで、そちらのスキルアップもしておくことで、本来のリハビリ職で転用できることもあると思うんです。だから仕事だけに集中するのではなく、人間として常にレベルアップしていくことが必要じゃないかなと個人的に思っています。常に時間は足りませんが(笑)

甘利
時間が足りないのは本当にそうですね。でもその中でなんとか捻出して、うまくタイムマネジメントして、自己投資ができる人とできない人では、これまで以上にこれからは差がグーンと広がるのだと思います。
たみお 氏
僕もそう思います。なので自分が興味を持ったことには率直に動いていきたいし、その中で仕事との掛け算を模索していきたいと思います。

 

やりたいことは?

将来は?

たみお 氏

仕事では、理学療法士が続けられるうちはできるだけ長くやっていたいなと思います。この仕事好きなので

プライベートでは、またバンド活動もやりたいなと思います(ギターやってました)。

あと、まだ行ったことのない海外旅行に行って、いろんな感性に触れてみたいと思います。

甘利

趣味が多彩で本当にすごいです! 僕は音楽的センスがゼロなので羨ましいです 笑。

普段の臨床で、リハ栄養以外で大事にされていることはなんでしょうか?

たみお 氏
療法士としての知識と技術を深めることはもちろん大切にしていることなんですが、それ以外に患者さんとのコミュニケーションも大事にしています。
甘利
何を行うにしてもコミュニケーションは大事ですよね。その点を意識して行うのは本当に重要だと思います。

 

学生の時にやっておけば良かったことは?

たみお 氏

もっと数学と英語の勉強をやっておけばよかったなと切に思います・・・。昔の自分に言えるならほんとに言いたい。

あとは海外旅行を若いうちに経験しておけばよかったなと思いますね。

甘利
みなさん、結構海外に行っておけば良かったと言われますね。確かに若い時の方が行きやすいかもしれません。

 

子供の頃の自分に言ってあげたいことはなんでしょうか?

たみお 氏
勉強しろ!です(笑)
甘利
簡潔!(笑)
自分の5年後・10年後はどうなっていると思いますか?
たみお 氏
10年後もPTとして地域で活動していると思います。その中で、メディアを通じて高齢者にもわかりやすく健康増進に努められるようなものを模索していきたいです。あと10年以内に海外にへ長期旅行に行っていると思います。多分スペインとドイツです。
甘利
なぜにその2つを?
たみお 氏

サッカーのスペインリーグが観たいのと、ドイツビールが飲みたいからです!笑

甘利

サッカー見に行きたい!ドイツビール飲みたい!
一緒に行きましょう!!(笑)

最後に若いセラピストに向けて一言!

たみお 氏
個人でいろんな目標があると思うので、みんなぼちぼち頑張っていきましょう
甘利

ぼちぼち頑張って行きましょうというフレーズ。

結構たくさんの方が使いますね(笑)。喜多さんとか(具体名 笑)

今日は本当にありがとうございました!!

 

編集後記

たみお氏は、実はSNSでしかお会いしたことのない方

最近は、そういったネット上での「出会い」は多い

しかし、今まさにこの時間に日本全国・世界中の人と「出会う」ことができる素晴らしい時代なのだ

SNSをやらないで「情報弱者」と言うのは少し待ったほうが良い

TwitterやFacebook、Instagramなどなど様々なツールは無料で手に入る

それを「活用するか、しないか」は、個人の判断だ

身の回りにある武器を使わずして「情報弱者」であるのは勿体無い

これからの時代「情報弱者」は戦うことができなくなる

たみお氏は「メディッコ」と言う素晴らしいネット活動の一員

そこから派生してオフラインでも活動の幅が広がる

このように、スタートはなんでも良い

日本全国散らばる人たちがSNSを始め、何しかしらで交わり化学変化を起こす

この化学変化の流れを否定することなどもはや無理なのではないか

もうすぐ一度も会ったことのない人同士の結婚もあるのかもしれない

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