リハ職の大学院進学に対する心構えと得たもの 若手セラピストインタビューVol.10-1

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今日は、第8回でインタビューにお答え頂いた野田先生からのご紹介です。

これまでの他の方々のインタビュー記事はこちらから!!

インタビュー リンクまとめ

今日は、PTの西田崇人先生です!!

秋篠宮殿下にリハビリの風景をご観覧頂いた際の写真だそうです!!

いきなりスゲー!!

KoKoRo 西田さん、本日はよろしくお願いします!

西田 よろしくお願いします!

KoKoRo さて、西田さんの貴重な体験や考えを伺っていきましょう!!

 

Vol.10
愛知県在住 理学療法士
30   男性 西田 崇人

大学院への進学ということは

大学院に進学するにあたり

KoKoRo 今日のテーマは「大学院進学」です。西田先生はちょうど今月で大学院を修了されると伺っています。

西田 はい、今月で修了ですね。

KoKoRoやはりセラピストの中でもPTの先生の大学院進学は多いように感じます。もともとPTの方がOTやSTよりも母数が多いというのはもちろんありますが、やはり先生の周りでも大学院進学者は多いでしょうか?

西田 そうですね、たくさんではないですが、周りにも興味もある人を入れたら結構いると思います。

KoKoRo 僕は大学院に進学していないのでイメージが湧きにくい面もあります。今日は具体的に教えてくださいね。

はい、でも僕の話って聞きたい人って、そんなにいますかね(苦笑)。

KoKoRo めちゃくちゃいますよ!最近のこのインタビューのアクセス数はうなぎ上りで、このままいくと指数関数的に伸びていって一気に100万フォロワーくらいになりますから!(笑)

そしたら広告料だけで生きていきます!(笑)

西田 妻にも今朝

「あなた何か人に伝えることあるの?」

って言われてきましたから(笑)、実はちょっと心配ですね。

KoKoRo 大丈夫です!インタビューする時はみなさん、そうお話しされますが、西田さんしか経験されていないことや、西田さんの考え方は世界でただ一つなんで、とっても貴重です!たくさん聞いていきますので、よろしくお願いします!

大学院って一体どんな感じ?

KoKoRo 大学院に行くきっかけは何だったのでしょうか?

西田 そうですね。臨床上分からないことも多くあって、その一つ一つの疑問を解消するために日々調べたり、先輩に聞いていたりしていました。でも、どうしても自分で調べたりするのは自分の知識不足なんかや調べかたによって、答えに到達できなかったことが悩みでした。だから、大学院に進学して「自分で研究して解明する力をつけよう」と思ったんです。

KoKoRo それはすごい!自分で切り開いていったわけですね?

西田 はい、実はセラピストになる前から大学院には進学したいとずっと思っていました。

KoKoRo それはなぜ?

西田 僕の家庭環境としても、父も大学院を修了していたので小さい頃から大学院そのものに憧れていました。

それが、臨床をする中で明確な目的が生まれ、ただの憧れでなく力をつける為に進学したいと思いました。

KoKoRo なるほど、でもそれをずっと心の奥にしまっていて、しっかりとそのタイミングで「行くぞ!」となったことが、本当にすごいと思います。

西田 ありがとうございます。

結婚してから大学院に行くということは?

KoKoRo 西田さんはご結婚されていますよね?

西田 はい、25歳くらいで結婚して娘が一人います。

KoKoRo じゃあ、まだ娘さんは小さい中で大学院に進学するっていうことに対しては、奥様をどう説得されたのでしょうか?

西田 妻からある時「大学院に行きたいなら行っても良いよ。私も応援するから」と言ってくれたんです。

実は僕らの結婚式の時、僕の親が妻の両親に「うちの息子は大学院に行きたいと考えているんです。ご迷惑をお掛けするかも知れませんが、ご理解をお願い致します」って話してんですよ。

僕の知らないところで。

KoKoRo それはすごいですね!

西田 妻の両親も快く了解してくれていて、妻に「その時が来たら必ず背中を押してあげなさい」と言っていたそうなんです。

KoKoRo めっちゃ良い話しじゃないですか?ドラマみたいだ。それで大学院に進まれる事に了解を得たわけですね。

西田 はい。僕は主に夜間に通っていたのですが、妻と通学前にルールを決めていて、家庭の時間を大事にすること、仕事は常勤のままで大学院に通うこと、としました。それで大学院に3年間。大学院のある日は22時半頃帰宅し、寝る前に勉強していました。

KoKoRo すごいですね。職場の理解はどのような感じでしたか?

西田 理解をしてもらえましたね、でもその前に説明がいるのですが、実は最初の病院と今の病院は違うんです。最初は新卒で地域の急性期〜回復期〜生活期まで包括的に提供している大きな法人に就職しました。

KoKoRo なるほど。

西田 それから、その大学院の進学にあたって今の職場に変わりました。なので最初から大学院に行くことが前提で今の職場に移ったわけです。

最初の職場は?

最初の職場ではどのような臨床でしたか?

西田 新卒1年目で外来リハビリや一般病棟の生活期に配属されました。ただ1年勤務していて「急性期や回復期はどんな感じなのだろうか?」と素朴に知りたいと思って、当時の上司に相談して2年目で回復期に異動しました。それからそこで3年間。主に脳血管リハと運動器リハに携わりましたね。

KoKoRo 一年目で外来リハビリとか、なかなか珍しいかも知れませんね。教育体制としてはどうでしたか?

西田 結構、教育体制は整っていました。ただ、教えて頂く先輩がすごく脳血管リハや運動器リハについて詳しくて、両方勉強させてもらうには時間も環境も制約がありましたね。ほとんどの人は「どちらか」を最初は重点的に教えてもらっていました。

KoKoRo 詳しい先輩がいると安心ですよね。

西田 はい、ただ僕は脳も整形も両方勉強したかったので、どちらも教えてもらうようにしていました。時間的にも先輩とのコミュニケーションという面でも少し大変だったかな。でもとっても充実してたと思います。

当時の先輩は厳しかったですか?

西田 そうですね。特に2年目からすごく細かいところまで突っ込んで教えてもらったと思います。院内の勉強会や普段のOJT、毎日の臨床のフィードバックなど。先輩に恵まれていたと思います本当に。

KoKoRo それは良かったですね。なかなか教育というのはどこの医療機関も課題が多いので。

西田 そうですね、ただ運がよかったのか、その先輩方とは辞めた今でも仲良くして頂いています。

KoKoRo それは素晴らしいですね。普通、転職すると疎遠になるので、それが続いて行くということは本当に信頼関係ができていたと思いますね。

他の転職をしたきっかけは?

KoKoRo 大学院に進むということ以外に転職をするきっかけというのはありましたか?

西田 はい。正直3〜4年も同じところに在籍していると、ある程度自分のポジションが分かってきます最初の職場はリハスタッフが200名ほど法人全体ではいました。だから井の中の蛙というか、外もしっかりと見ておかないと、この大集団の中で技術も知識を凝り固まってしまうのではないかと思うようになったのです。

KoKoRo なるほど。大きな組織にいると色々と教えてもらえる環境があるという見方もある中で、大きい組織ゆえにその世界観を形成してしまうということですね。

西田 はい。外に出た時に自分の能力がどのくらいあるかが不安になったんです。それで大学院を目指すタイミングで職場も変えてみることにしたんです。

KoKoRo 思い切った決断ですね。今の職場は転職してどうですか?

西田 今の職場はセラピストが100名ほどいます。実は、今の職場は「若いセラピスト」が多くて、勉強したいと思って転職したのが、経験年数的にも上の方の役割(地位)にいきなりなってしまったんです。それは計算外でしたね。(苦笑)

KoKoRo なるほど。でもそれだけ力と信頼があったからだと思います。いくら若いセラピストが多くても転職者に対しての人事管理は、思いの外冷たいところが多いです。他の病院ですごい要職に就いていても、それが転職先のキャリア形成や人事管理でしっかりと整備されているところはまだまだ少ないかもしれませんね。

 

西田 そういう意味でも運が良かったのかな?ただ自分よりも若い20代がのセラピスト多くて、僕が教えてもらいたかったのだけども、教える側に回ってしまったので、そういう意味では、さらに自分でも職場以外で勉強しないとならないなと思うようになりました。

KoKoRo 役割が変わると、例えば管理職に従事したり後輩をまとめる役割が増えてくると、また違った視点で別の勉強もしないといけなくなりますしね。

西田 はい。僕は転換期が来たと思いました。自分に対する役割が変わったと

これまでは「患者さんを良くしていくこと」が大事な役割でした。もちろん今でもそうですが。しかし「患者さんファースト」だとこういう悩みが僕の中で常にありました。

「先輩なら治せる、自分では治せない。だから勉強するんだ」と。

これが勉強へのモチベーションでしたね。しかし、管理職に近づくにつれて、これからは自分のことだけでなく「後輩の教育にシフト」ていくことが大事だと感じています。そして業務上も学習上でもそれが増えていったのです。

KoKoRo 素晴らしいパラダイムシフトですね。普通はそのシフトがうまくできず、管理者になって数年、もしくはずっとその悩みに苛まれて「まあ、このくらいで良いか」と諦めにも近い現状維持に走ってしまう管理者もいらっしゃる。特に公務員系の医療機関は人事が固定されやすくあまり人事上の逆転は起きにくいです。人事が循環しにくいと院内の雰囲気はなかなか変わらないです。それがこれからの多くの医療機関の課題なんだと思っています。

西田さんのプライベートは?

今回ご紹介頂いた野田さんとはどのようなご関係なんですか?

西田 彼とは専門学校の同級生ですね。当時から交流が多くて将来についても良く語っていました。彼はいろいろな思いが強かったですよ。仕事も趣味(バイク)も意見があったのかもしれない。

KoKoRo それは良い関係ですね。学生の頃からずっと一緒に連携とっているのは僕はいないかもしれませんね(泣)。友達が少ないんですよ、僕(笑)。

西田 そうなんですか(苦笑)?僕は彼と出会って13年くらいになりますね。

趣味は?

KoKoRo 子供の頃はスポーツはやっていましたか?

西田 小学生は野球、中学は陸上と軟式テニス、高校はバレーと野球、専門学校はフットサル。色々とやって来ましたね。

KoKoRo へえ〜、結構器用ですね!そこまでやりこなせるというのはセンスが良いということです。

西田 いや、飽き性だったのかも。でもスポーツを変えるのには抵抗はなかったです。今は全くやっていないですが、野球観戦が好き。ナゴヤドームに家族で行く、中日ファンなんです。

KoKoRo 家族さんと一緒に行くのは楽しいですね?

西田 はい、結構野球観戦好きなんです、うちの娘は。

KoKoRo 良いですね。娘さんは習い事もされていますか?

西田 娘はフラダンスを半年くらい前からやっています

KoKoRo 珍しいですね、フラダンス。

西田 そうですね。チアダンスは多くの地域でやっているので逆にニッチな部分を攻めたいという思いもありましたね。それに色々と運動面を見ても、体の軸をブラさないという面で、子供の運動としては非常に良いと思って決めたんです。

KoKoRo すごい、専門的な分析です。奥様とも仲が良いですか?

西田 そうですね、良い方だと思います。

KoKoRo 羨ましいですね(笑)。うちはもう結婚15年で付き合った期間入れると20年ですから、本当に「情」だけで繋がっていますね(笑)。多分、あと15年くらいしたら熟年離婚を突きつけられますから(笑)。

西田 そうなんです?(笑)

第2回「大学院で得たこと」に続く

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