今日は、先日KoKoRoが主催させて頂いた「ST’s café」に来て頂いたSTの川合裕太先生です。
これまでのインタビュー記事はこちらから!!
ちなみに「ST’s café」の詳細はこちらのフェイスブックページなどからお願いします!
ST's Cafe - 「いいね!」105件 - 主に言語聴覚士を初めとする医療従事者が自由な発想を自由に発言できるコミ…
KoKoRo 川合さん、本日はよろしくお願いします!
川合 よろしくお願いします!
さて、川合さんの普段の生活を伺って行きましょう!!
出会ったきっかけ
もともとツイッターでお互い少し知っていましたが、先日KoKoRoが企画していたSTの勉強会に川合先生が来てくださり、そこで「初めまして」をしました。「今時な出会い方」かもしれませんね(笑)。
そうですね(笑)
今時な出会い方って「SNSで先に知っていて、顔をあわせるのが後」。本当にそういった出会い方が増えて来た気がします。今年に入って5人目くらいです(笑)。
なんか、ある意味緊張しますね(笑)。
ですね。それでは、本題に入りたいと思います!
ブログを始めてみる
ブログはいつからやり始めたのでしょうか?
学生の頃からバイク関係のブログを遊びで書いていたんです。それからここ最近は何年も書いていなかったですね。最近は少し増えましたが、医療者向けのブログって少し前までは難しい内容しか無かったんです。だからもっと分かりやすい内容を「自分でまとめてみたらどうかな」と思って始めたのがきっかけです。
そこがすごいですね。必要性が分かっていても自分で始めるというのは簡単ではない。川合先生のブログはこちらですね。
でも自分の勉強のためというのが一番強いかな。ブログを書き始めた頃から、以前から行っていたTwitterでもウケ始めたんです。
そうなると発信するのが楽しいですよね!
時には心が折れそうになる事もあります。ブログ書くって結構大変ですし、はじめは臨床的なことは書いてなくて雑ブログが多かったんです。最初の頃は流行りものを中心に書いていました。
僕もブログを書き出しましたが、やっぱり好きなことや興味があることに偏ってしまいますよね。
そうなんです。でも書くと色々と気づきます。「自分の考えって甘いなあ」ってことに気づいて、雑ブログでもあんまり強烈なタイトルは書かなくなったんです。
ブログやTwitterも批判的な事を言う人がいますからね。こっちは「みんなに知ってほしい」という気持ちで書いているので、批判されると結構傷つくと言うか・・・泣。
僕は「プライドがあまり無い」のが良い方向に働いたんだと思います(笑)。最初は同い年向けに書いていたのですが、少しずつ勉強をしていき今では社会人向けに発信できるように勉強しているんです。
新しいことをやるのは好きで、調べまくることが僕のやり方かなと。
「石橋を叩いて渡る」タイプですね。ブログやTwitterから、川合先生の本質が少し見えて来ますね(笑)
ブログへの想いは?
おいしい・簡単をコンセプトにした嚥下食の全国大会があって、それを参考に作ってみたら本当に簡単だった。しかも美味しかったんです。
へえ、ちょっと詳しく聞きたいところですね。在宅でもできるレシプってことですよね?
はい。でも、そういう知識ってどうやって広めて行くべきかは悩みます。医療者から家族指導として個々に伝えていくことももちろん大事だと思うけれども、1対1で進めて行くのは少し非効率と感じることもある。
公衆衛生みたいな感じですよね。多くに伝えられれば効果はまた違った形で現れてくる。そう言ういわゆる「インフルエンサー」には誰がなるべきだと思いますか?
誰がなっても良いと思う。でも僕は「患者さんの家族が広めて行く」のが一番良いと思う。患者さんやその家族に病院で伝えても理解されにくい。だから在宅でやってもらって、その情報を家族間でSNSで広めてみたら、もっと広まるのではないかと。
その発想は面白い!だいたい、こう言う質問って「医療者、とりわけ地域医療を専門とする栄養士さんや看護師さん、STさん」って言う答えが一般的な回答だと思うんですが、それは家族で広めて見るのが良いと言う考えは確かにその通りだと思いますね!
その力に「僕も一端を担えたら」と思うんです。だからブログでそういったことを記事にしてみたいと思っているんです。
なるほど、一貫性があるなあ。
ブログ自体はST向けのものも多いですが、本当はST以外の人にも分かるようにしたいんです。リハビリ業界や医療業界はこうなっているんだというのを伝えたい。在宅で介護される方々が増えてきているという時代背景もありますから、「介護はいかに手をかけないか」が求められる分野。その手助けになれればと思っています。ブログも医療的になりすぎると見られる人は限られてしまうんですよね。
本当に多くの方々に向けて発信されようとされていますね。素晴らしいです!
経歴
なぜSTになろうと思ったんですか?
STはおろか、リハビリの職種を大学まで全く知らなかったんです。当時は大学卒で就職の内定取り消しが流行った時期です。心理学科出身だと大体就職率は70%で厳しい時代でした。その事もあって色々と調べ、当時は大学1年生で心理学科からSTの国家資格取得に切り替えることに決めたんです。
なるほど。
心理学科の授業にプラスしてSTとしての授業を受けたので全部で200単位以上は取っていたと思います。
200単位!?それはすごいですね!僕も大学の時は160単位くらい取りましたが、結構多い方でしたよ。心理学科からSTコースに行く人は何名くらいですか?
心理学科200人のコースから5〜6名くらいだったかと思います。心理学科自体女性は7割くらい占めていました。
心理学を専攻される方は女性が多いですよね。心理学科ということは、将来的には臨床心理士を目指す人たちと言う事でしょうか?
そうですね。でも臨床心理士は大学院に行かないと取得できないんですよね。STは大学院に行かなくても取得できるじゃないですか?それもST取得を目指したメリットの一つとして考えましたね。でも大学院に行って臨床心理士を取るかすごく悩みました。そこですごく記憶に残ることがありました。
と言うと?
大学院に行くか悩んだ時に、教授を初めたくさんの有志が集まってくださり僕の相談に乗ってくれたんです。その経験から「自分がやりたいと思ったこと」や、「突拍子がないこと」があっても、誰かに相談してみたら同じ想いの人がたくさん集まって解決の糸口が見つかるんじゃ無いかって、そう思えたんです。あの経験は本当に印象的だったなと。
素晴らしい、本当に良い経験だと思います!仲間が何かの目的で集うって素晴らしいですね。それは川合さんの普段の人柄がなせる技だと思いますよ。
ご家庭のこと
実は川合先生はお若いのに既にお一人お子さんが見えて、今度、双子のお子さんがご予定なんですよね?
はい、これから大変になりますね。
うちも3人子供がいますが、2年おきでした。それが1人から急に3人になると一気に忙しくなりますね。
はい、ちょっと気合い入れて頑張らないとダメですね。
家庭としての夢ってどんな夢がありますか?
そうですね。「子供が大人になるのを嫌って欲しくない」と思っています。例えば、週5で働いて土日も子育てで休みも少ないけど、なんとか1年に1回は夢の国に旅行というイメージではなく、仕事もしながら自分の好きな事もしていたいし、家族といる時間も多く取りたい。「学生の頃より大人になってからが楽しい」と僕自身が感じるので、子供にもそう思って欲しいと思っています。
もし進路に悩んでいたら「君が思っているほど、悪い未来じゃないよ」とか言ってあげたいですね。
やばいです。最近の中で一番心に刺さってしまいました!!キュンキュンですよ!
(照)
昔はどんな子供でしたか?
高校から野球部に入ったんです。珍しいですよね。大体野球って小学校とかから始めるんですが、高校から「やりたい」って思って。それで親も後押ししてくれたので始めてみました。
確かに珍しいかもしれませんね。
これって思ったらまずやる、百聞は一見にしかず。小さい頃からそう言う性格でした。スポーツで特にそれは感じやすくて、練習と試合でやるのとでは違うじゃないですか?真剣にやってみないと、スポーツの醍醐味というか本質に到達できない。
なるほど。触りだけ押さえて学んだって気持ちになるのは簡単ですが、情熱を持って取り組み姿勢は子供の頃から鍛えられていたのですね。
他人に言われてするよりも、自分で考えたことを行動に移す方が好きですね。
今の働き方
転職について
実は今年の3月から新しい職場に移ったんです。最初は地元の回復期病院に就職して、その間に結婚もしました。将来の自分の事を当時はまだ深くまで考えていなかったかなと。その後は公務員が良いかなって思っていたんですが。
最初の就職先って、どこが良いかって難しいですよね。結構インスピレーションだったり、家から近いとか、その時に興味ある事が出来るとか、色々な理由で選びますよね。そして転職する時はまた違った視点で選ぶようになる。
はい。僕は1年目の最初から嚥下に興味がありました。だから最初の転職は嚥下が強い病院を選びました。そこでは本当にレベルが高かったと思います。でも毎日帰る時間が遅かったんですよね、毎日22時とか。最初はそれでも勉強のためと思っていましたが、結婚して、家族も増え、毎日残業していて良いのかなって考えるようになりました。
そうですよね。悩みますね。
家に帰ると子供が泣いていたり、家族が疲れている姿を見てしまうと、これが最初に描いていた「社会人」なのかなと、本当にこれで良いのかなと思ったんです。家族のためにと思って日々奮闘していたのに「なんか違う」と思いました。幸せとはなんだろうと考え出したんです。
僕も共働きで、何度も子供のことや家族のことで壁にぶち当たりました。今でも毎日たくさんのドラマがあります。川合さんのように一度立ち止まって考え、転職するというところまで決断できるというのは本当に素晴らしいと思いますよ。
例えば、先ほど話した好きなブログなんかをうまく使って収益化ができれば、経済的にも楽に生活ができるなとか、帰る時間がもっと融通性があるところが良いなと思いました。それで最初の職場は辞めることにしたら、ちょうど今の職場が住まいから近くに新しく作られていたんです。新しく立ち上げられる病院でした。
なるほど、それは発展的な転職だと思います。家族あっての自分、自分あっての家族。だからこそ「やりたい」だけではなく「どのようにやるか」という視点に移ったのが素晴らしい決断に繋がったのではないでしょうか?
将来は?
将来的には介護サービスなどで独立もしたいと考えた時もありました。でも出来れば「一番最初のアイデア」でやれるのが良いと思うんです。デイサービスなんかでも、自分が最初に考えた新しいやり方で始めてみたい。そう考えたら「まずは足元から固めよう」と改めて思うようになったんです。だから今を大事にしながら、次の目標に向けて自分を高めていこうと思っています。
なんか、カッコ良すぎて聴き入ってしまいますね。ご家族と本当に幸せな時間を過ごされているんでしょう。
自分の性格や趣味などは?
自分の時間はどう使っていますか?
バイクが趣味ですね。だけど、いじれない、乗るだけ(笑)。いろんなことをやるのが好きですね。草野球とか、愛知県にいるけど広島ファンです。怒られますね(笑)。子供の頃一番最初に見に行った試合が広島だったんですよ。
他にも、フットサル、テニス、ゴルフなど、飽きてしまうのも多いですがね。実は「これ」っていうのは無いんです。強いていえば移動するのが好き。だからバイクも乗るし。いつかはそう言った意味でもブーツをオーダーメイドしてみたいと思っています。
良いですね。本当に毎日が充実していそうです。
時間の使い方
仕事に家庭に趣味に、毎日忙しいと思いますが、どう工夫していますか?
僕は毎日アンテナが立っていないと情報は入ってこないと思っています。仮に入ってきても身にならない。そうですよね。情報は「取りに行くもの」ですから「入ってこない」とか「聞いていない」とか言うのは少し違うと思っています。アンテナを立てることからしないと、テレビも映らないですから。
そうですね。勉強会や研修会についての考えはいかがでしょう?
ここ数年はあまり行っていないけど、最初は手当たり次第行っていました。独学で勉強するより研修会で他者から話を聞いた方が頭に入ると思っていましたから。
なるほど
色々とアウトプットすると人って覚えられると思うんです。だから実習生の指導なんかでも、自分の方が勉強していると感じることが多い。
それはとってもよく分かりますね。
自分の5年後・10年後は?
そうですね、今は色々な働き方が可能になってきました。
僕は以前まではメルカリや株などがいわゆる「副業」かと思っていたんです。でも「自分の延長線」で勝負はかけた方が良い。ビットコインなども一時期やっていたけども、なんか違うなと。それとあんまり大きな声では言えませんがFXも昔やっていまして、バイク1台買えるくらい痛い目をみたんです、のめり込みすぎて(苦笑)
やっぱり、そういったものは儲けるのは大変なんですね。僕は完全に素人です。オッカナイですもの。
痛い目を見てから、それで奮起してビットコインを猛勉強。すぐにその負けを取り戻しました。そしてFXからもビットコインからも手を引きました(笑)
すごい(笑)。でもなんで、そもそもFXをやろうと思ったのでしょうか?
FXのきっかけは「このままのリハビリの給与で大丈夫か?」と思ったんです。株などに比べるとお金の増減が分かりやすく取り組みやすさで始めてみました。
僕には難しすぎて分からない領域ですね。
「絶対に勝てるというルール」がみんなそれぞれにあります。そして「絶対勝てるという思い」もあります。でも絶対にうまくいかない(笑)。
ギャンブルですね。
はい。一度始めると時間が取られすぎて、気持ちがそっちを向いてしまい、本業のハビリに集中できないのも嫌でした。だから一度負けたらすぐにやめることにしました。でもFXもかなり勉強しましたよ。勉強をし尽くして負けたから逆にスッパリと辞められたと思っています。
ビットコインで取り戻せたし(笑)
はい(笑)
最後に
FXの話などはもっと個人的には詳しく聞いてみたいですが、たくさんのお話を伺えました。最後に若い方々へぜひメッセージをお願いします。
「0」から「1」にするのと「1」から「2」にするのとでは全然違う。前者の方が圧倒的に難しい。だから最初の一歩を踏み出すのは勇気がいるけれども、ぜひ負けないで頑張ってほしい。
素晴らしい。今日は本当にありがとうございました!
ありがとうございました!
編集後記
まだ20代の川合氏、家族を中心にしているのが本当に伝わって来る会話だった。
自分の仕事にプライドを持てば持つほど、自分の時間に没頭し、それがいつしか家族や周りを寂しい思いをさせてしまっていることはある。
それに早く気づき、すぐに修正した。
自分の好きな嚥下を極めようと、いろいろなチャレンジは同時進行でされている。
一つは「ブログ」だ。
家族が発信者となり地域を盛り上げていくという発想に「なるほど」と声を上げてしまった。
柔軟な発想こそ若い人の大きな武器であり、それを許容できる会社(社会)が本当に有効だと改めて感じた。