現場で色々な取り組みをされている、特に若手の方々を対象としたインタビューを行う「KoKoRoのメディア」を開始しました。
多くの雑誌やインターネット上の記事は、基本的に「ある程度成熟された、トップランナーの方達」のインタビューが中心です。
しかし、新卒や若手の方々は日々医療介護現場で隠れた努力と、あまり打ち明けないたくさんの悩みを持っています。
それはKoKoRoもそうでした。だからこそ、そんな声を多くの皆様に届けていきたいと思い、この「KoKoRoのメディア」をスタートすることにしました。それでは記念すべき第1回の、お一人目をご紹介します!!

これまでの経歴と就職活動
KoKoRo それでは、インタビュー始めます!今日はよろしくお願いします。
西口 よろしくお願いします!
経歴
KoKoRo では最初に、これまでの簡単な経歴を教えてください
西口 これまで専門学校卒業後、回復期・生活期を中心とした有床診療所、老健、デイケア、訪問・外来リハに従事してきました。4年くらい最初の医療法人に勤務後、急性期や地域包括ケア病棟などが備わる地元の中小病院に転職しました。
KoKoRo 最初の医療法人に就職したきっかけというか、就職活動はどのような感じで行っていたのでしょうか?
就職活動では
西口 学生の頃に実習でお世話になった医療法人でした。その時に感じたこととして「他の病院とは違った魅力で差別化を図っていること」「地域のニーズに合わせていること」「雰囲気がとっても良いと感じたこと」「スタッフ一人一人が素晴らしく対応が良かったこと」などが決め手となりました。そこでは他では学べないことを多く学べましたし、医療機関だけでなく多くの介護保険下でのリハビリにも従事できました。それは本当に貴重な経験でした。しかし、長く勤めているとどうしても刺激が減ってしまい、また仲の良かった職場でとっても楽しかったですが、もっと違った勉強もしていきたいと感じるようになっていきました。
KoKoRo そうですか、それでさらなるスキルアップのために新しい病院に移られたわけですね。
西口 はい、でもスキルアップという観点からだけでなく、新しい職場は地元で家から近いということもありました。以前の医療法人は片道で30分以上かかっていましたから。それと結婚もしましたし、家族の時間をもっと大事にしたいとも考えるようになりました。今では、その移動時間だったものが自分の時間となり、家庭に還元されています。妻以上に家事をやっているかもしれませんね。すごい楽しいですよ!料理も掃除も。
KoKoRo 素晴らしいですね! なかなか男女平等や働き方改革といっても、夫婦で協力体制がなければ、結局は奥様に負担がいきがちなところ、率先して家事をされているということは本当に素晴らしいです。
西口 はい、共働きですから、できるだけ協力というか、一緒に家庭を築いていきたいと考えています。
リハビリの実情や部内外研修について
普段のリハビリの実情
KoKoRo 臨床的な話を伺いますが、どんな疾患の患者さんをリハビリすることが多いでしょうか?
西口 骨折後などの整形疾患の方々が多いですね。臨床について5年くらいで整形に関してはかなり自信を持ってリハビリを行えるようになっていると感じました。逆に全身状態、例えば呼吸器や循環器などの合併しているケースに対して、それらの知識・技術が乏しいことが最近の課題です。院内教育は多くはないですし、それよりも外部の研修会などに参加していきたいと思って取り組んでいます。法人が研修費を助成してくれるのは有り難いです。しかし外部研修も内容が非常に難しいものから簡単なものまで幅があるので、事前に情報を取って選ぶ必要はありますね。
部内外研修についての考え
KoKoRo 研修会というと学会や県士会などもありますが、発表や研究などはやられていますか?
西口 正直、あまり学会とかは苦手です。学会には行きますが、発表者と聴講者での温度差が顕著でなんとなく楽しくないんです。それに、今まで学会に聴講して参加し「臨床に生きたなあ」と感じることは正直少なかったんです。
KoKoRo 確かに、何となく学会って「発表者のための場」みたいな雰囲気がありますよね?それに僕も1年で5回とか学会発表していましたが、威圧的な質問とか押し売りの意見などは抵抗がありました。もっと「こういうのも良かったよ」という提案や、フランクな雰囲気があれば学会が苦手という若手の人たちの参加率も上がるように思っています。ガチガチな発表コーナーと、若手対象コーナーなどと分けても良いと思っています。
西口 そうですね。県士会などにもちょっと足が遠のいてしまっています。
今後の院内のキャリアデザインについて
KoKoRo 今の法人では今後、管理者のような、いわゆるジェネラリストを目指して行くのか。それとも技をしっかりと極めて行くスペシャリストを目指して行くか、どちらかと言えばどっちのイメージでしょうか?
西口 僕は、正直なところ管理職には全く興味がなく、自分の技を磨いて行きたいと思っています。それは医療や介護分野だけでなく地域に還元されるべき努力や活動も並行して行なっていきたいと考えているからです。
KoKoRo その辺はとっても面白そう。あとで詳しく伺いますね。
働き方について
KoKoRo 今、医療や介護で働くリハビリ職の給与や処遇は適当だと思いますか?
西口 反対意見もあるかと思いますが、僕は「適当」だと考えています。患者さんに感謝される誇れる仕事ですし、もちろん患者さん一人一人と真剣に向き合うのは言うまでもありませんが、毎日疲労困憊で帰路につくと言うほどでもありません。他の業界はあまり詳しくないですが、ストレス面も「ものすごく多くはない仕事かもしれない」と思っています。給与が低いと言っている方々もいますが、僕はこれが今の自分の実力では適当だと思っています。ただ個人的にはもっと稼ぎたいですし、色々とチャレンジはしていきたい。それが可能になれば「西口という個人として」全体の給与は上がっていくと思うんです。
KoKoRo 副業的に何か違うことをしながらレベルアップをしていく、ということですか?
西口 副業の定義は難しいですが、色々とチャレンジして行く中で結果としてお金が入ってくる。それは常勤で医療機関にガチガチでいると生むことはできないものだと思います。だから僕は今ほぼ毎日定時で帰宅して家事もするし、休みの日はサーフィンしたり山登りしたり旅行したり、家族や自分の時間をとっても大切にしています。それから、医療関係者だけでなく外部の人たちとの交流の時間も生まれてきました。それは非常に大きくて、そこから新しいビジネスだったり、プロジェクトだったり、そういう新しい生き方が見えてきました。ここ2年くらいです。
KoKoRo なんか、とっても生き生きされていますね?本当に楽しそうです。
西口 はい、今が過去最高に楽しいと感じますし「今生きていること」そのものが楽しいと感じています。「その時が一番楽しいと感じる生き方がしたい」と本気で思っています。
KoKoRo なるほど〜、非常に興味深いです。それでは、今後の展望や夢の話を聞かせてくださいね。
